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米国、ハリボテの経済成長。ロイター、フォードほか大規模リストラで失業者急増へ

フォード、GMよりも大規模なリストラになる見込み

モルガン・スタンレー銀行(Morgan Stanley)の複数の専門家の予測によると、フォード社の今後のリストラは、GMよりも大規模になるとのことである。

フォード社側の報道担当は、人員削減の規模は未だ公開できないとの回答であった。海外報道を翻訳しながら、そのポイントを解説します。

モルガン・スタンレー銀行の予測では、フォード社が打ち出している11B$のリストラ策から判断すると、2万5,000人の解雇になると見ている。

同社は解雇数を公表していないものの、モルガン・スタンレー銀行のアナリストであるAdam Jonas氏は、GMよりも大規模な首切りになると予測。「フォード社のリストラ策の大きな部分は、欧州フォードをどうするかにある。ここではマイナス7B$の損失が予想されているからだ。しかしそれだけではなく、北米地域でも大きなリストラとなり、それは正規、及び非正規従業員のかなりの人数が減らされるであろう」と発言している。

フォード社報道担当のKaren Hamptonによれば、7万人の大所帯のフォード社では、「部門組織、特に事務部門の再編成」で来年の夏頃までに、かなりの解雇が行われるだろうと言明しており、「主に北米以外の地域でリストラ策が取られるだろうが、現在の時点での解雇数は未だ不明である」とコメントしている。

すでにこれまで、乗用車を生産している米国内2工場で、生産シフトを減らして生産台数を削減し、余剰人員をSUV生産工場へ配置転換してきた。

アナリストのAdam Jonas氏は、GMやフォード社のリストラに、他の自動車メーカーも模倣をし、乗用車タイプの生産工場の閉鎖をし、最終的には電気自動車や自動運転乗用車の生産工場に切り換えていくと見ている。

出典:Morgan Stanley Predicts Ford to Cut 25,000 Jobs in Overhaul – Bloomberg(2018年12月4日配信)

直近の自動車販売実績は…

さて、直近の2018年11月の販売実績はどうだったのかを見てみましょう。

先月の米国自動車販売実績の中で、フォード社は前年同月比で7.1%の販売減でした。台数比較では、今年2018年11月は19万5,255台、昨年2017年11月は21万205台となっています。

フォード社の販売の4分の1から3分の1弱は、レンターカー会社や、政府や地方自治体向けの警備車両などです。まとまった台数が売れるものの、利益の少ない商売です。

さらに、在庫(販売店在庫、輸送途上在庫)も販売台数に加算されています。販売不振の時には、この在庫を販売店に押し付けて、販売台数を粉飾します。粉飾したにもかかわらず、マイナス7.1%の減少だったのです。

Next: 販売台数を水増ししてもマイナスのフォード。世界経済全体が歪んでいる…

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