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世界2,000万人のオタクのための「仮想国家」とコミュニティ通貨をつくる理由(後編)=シバタナオキ

Otaku Coinでクリエイターに富が還元できる仕組みを

シバタ: ちょっと話変わるんですけど、クリエイターの方に還元したいみたいなお話もあったと思うんですけど、このオタクコインを通じてどういう感じでクリエイターの方に還元されるイメージなんですか?

安宅: いろいろなパターンがあると思うんですけど、やっぱりすごくいろんな方がおっしゃられるのは、「投げ銭」ですよね。

例えば、海外の方が100円単位で日本のアニメーター、クリエイターに支援するって言ったときに、今だったら送金手数料のほうが高くて気軽にはできないと。ただ、投げ銭ってオタクコインじゃなくてもできることなので、もっとファンや業界にダイナミックで良い影響を与えられる形があると思っています。

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インターネットで情報の移転が滑らかになった、ブロックチェーンは価値の移転が滑らかになる、という話をしましたが、ブロックチェーンでできる一番ダイナミックなところは、コンテンツやクリエイターのための資金調達だと思うんですね。去年、ICOでいろんな会社とか事業の立ち上がりの資金調達でブロックチェーン使えるよねっていう盛り上がったと思うんですけど、これって実は、アニメ業界でも同じで。いまのアニメ作品って、一番最初は資金調達から始まるんです。

シバタ: そうですね。お金がないと作れないですからね。

安宅: そうなんですよ。だいたい今、新しく1本アニメ作ろうとしたら、12話で3億円くらいかかります。スタートアップとの比較で考えると、最初に3億円必要というのは割とお金かかるなぁという印象ですよね。

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かつ、それが当たるか外れるかでいうと、10本に1本当たればいいよねっていう、かなりハイリスクハイリターンなモデルになっていて、このリスクを分散するために、今だいたい取られている方法が、製作委員会方式です。

1作品に対して10社くらい持ち寄って3億円を投資する。1社3,000万円を出し合って1作品作る、ということをやっているんです。そのプレイヤーはだいたい決まっていまして、コンテンツ関連でビジネスをしている国内の大手企業数十社で作品がヒットするまで継続的に繰り返し製作委員会を組成して、作品を作り続けるスキームです。

これは、ボラティリティの高いビジネスのリスクヘッジのためにすごくスマートなやり方なんですけど、ブロックチェーンを使ったら、そもそも日本の会社だけじゃなくて、海外の会社やイベンターもそうですし、ファン一人ひとりからも調達できると思うんです。アニメファンはみんな次のより良い作品を観たいと思っているので、金銭的リターンだけではない想いで投資や応援したいはずです。

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それこそ、オタク国家には最低でも2,000万人いますから一人1,000円でも集まったら、200億円のファンドができあがります。そのファンドをもとにみんなの投票で、ファンが望む企画やプロジェクトに出資していくみたいなこともできると思います。

クラウドファンディングも近い思想ですが、VCと同じで先にお金が集まっているモデルもありんじゃないかと思います。

シバタ: それはかなり壮大で面白いですね。

安宅: はい。今の製作委員会方式っていうのはすごくよくできていると思うんですけど、新しい技術ができたことによって、違うやり方もあるんじゃないっていうことが提案できたら面白いなって思います。それが、究極的にいうと、クリエイター還元になっていくと思っています。

少し踏み込んだ話をすると、どうしても今のアニメーターやクリエイターっていうのは、製作委員会から請け負う形で仕事をもらっているので、立場的にいうとちょっと弱いんですよね。

製作委員会からスタジオに発注するという流れでだけではなく、ファンから集めたお金をスタジオに直接入れて、スタジオから作品を盛り上げてくれる会社に発注するっていう、逆のパターンというのも、業界構造的にトライしてみても面白いんじゃないかと思っています。

シバタ: 本当に一番、価値を生み出しているのはスタジオの人たちなわけですから。

安宅: まさにまさに。クリエイターが作品を生み出していますよね。

先日取材をされたというピーエーワークスの制作現場/引用元インタビュー記事はこちら

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Next: クリエイティブ業界で、新たなブロックチェーンの使われ方とは

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