PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は、あの時だけの「打ち上げ花火」だった印象が強い。真にQRコード決済の普及をひっぱるのは、日本海側の地方だ。(『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』岩田昭男)
※本記事は。『達人岩田昭男のクレジットカード駆け込み道場』2019年1月15日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。
消費生活評論家。1952年生まれ。早稲田大学卒業。月刊誌記者などを経て独立。クレジットカード研究歴30年。電子マネー、デビットカード、共通ポイントなどにも詳しい。著書に「Suica一人勝ちの秘密」「信用力格差社会」「O2Oの衝撃」など。
地方でのキャッシュレス化の勢いは、中国での普及を連想させる
PayPayキャンペーンのあと
PayPayの「100億円あげちゃうキャンペーン」は、毀誉褒貶(きよほうへん)いろいろあったものの、今になってみれば、あの時だけの「打ち上げ花火」だった印象が強い。
しかし、それまでまったく知られていなかったQRコード決済を全国に知らしめた功績は大きかったと言えるだろう。
地方の人などはテレビで報道されるまでまったく知らなかったという人が多いからだ。
ただ、それだけで終わったのでは、やはり1日だけの打ち上げ花火だったと言われても仕方がない。
そうならないためにも、次はPayPayの使える加盟店を増やして欲しいのだ。
全国「QRコード決済」利用意向調査
そこで、興味深いデータがあるので紹介したい。これは日経グループの調査によるものだが、キャッシュレス化の進んだ都道府県をランキングしたものである(マクロミルの協力によるインターネットアンケート調査対象は、事業者と消費者の両方)。
それによると、キャッシュレス比率が最も高い都道府県は次のようになっている。
1位:千葉県
2位:茨城県
3位:東京都
4位:富山県
5位:神奈川県
富山県が入っているものの、首都圏がほぼ独占している。個人的には、首都圏全域で使える交通系電子マネー「Suica(スイカ)」の影響だと思っている。
また、全国的に見ると、首都圏を中心に東日本がキャッシュレス比率は高く、西に行くほど比率が低くなる「東高西低」の傾向があるようだ。
それは、これまで各地でクレジットカード利用の講演会をやってきた私の体験からも言える。