幻想に閉じこもる安倍政権と日本国民
もし安倍政権がこうしたイメージを自ら信じ込み、これに基づき政策の判断を行うようになると、大変に危険な状態になる。これは戦前と同じようなメンタリティーではないだろうか?
1941年12月、アメリカのGDPが日本の20倍であるにもかかわらず、日本は真珠湾攻撃を行った。これは、アメリカに大きな一撃を与えるとアメリカが戦意をなくすので、きっと有利な終戦の講和に持ち込めるはずだという、何の根拠もない希望的な観測に基づいていたことはよく知られている。
実際はこのまったく反対であった。真珠湾攻撃は、「日本をたたきつぶす!」というアメリカ国民の強い戦意を刺激した結果になった。
これは、とてつもない判断ミスである。このようなミスが犯された原因は、判断が客観的な現状認識ではなく、希望的な観測といういわば自らが作り出した幻想に基づいていたことにある。
自分が信じ込みたい都合のよい現実を最優先し、これに合わない客観的な事実をあえて無視するというメンタリティーだ。
いま憲法改正や秘密保護法など安倍政権の戦前回帰的な方向性が問題にされているが、実はもっとも危険なのは、都合のよい現実に閉じこもり、客観的な事実を無視するというメンタリティーではないだろうか。
そして安倍政権は、彼らにとって都合のよい現実認識を国民が共有するようにマスメディアに介入し、事実とは異なった報道をするように誘導している。
これは大変に危険な方向だ。将来、とてつもないミスを犯す危険性があると言わねばならない。これがどういうことなのか、次回にはさらに突っ込んで書くことにする。
『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』(2015年11月13日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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