米国の中小企業は2020年からリセッションに入ると見ている
私は去年の暮れに「米国の株式市場崩壊は、ITの巨人ーFAANG銘柄の暴落が引き金になる可能性がある」と書きました。そして、「シリコンバレーの若きIT長者たちが、次々と米国を出て海外に拠点や住居を移している」とも書きました。
彼らの予測と「備え」は正しかったのです。
しかし、米国の中小企業経営者も同様に危機感を募らせてはいるものの、準備に取り掛かるゆとりのないままリセッション(景気後退)を迎えてしまうかも知れません。
米国の中小企業に対する最新の調査では、経営者の大多数が「リセッションは回避できないところまで来ている」と答えており、半数の経営者が、本格的なリセッション(景気後退)は2020年にやってくると予想しています。
ここのところ、CNBC / SurveyMonkeyスモールビジネスサーベイは、米国の起業家たちの懸念を浮き彫りにしています。スモール・ビジネスとは、文字通り「中小企業」のことです。
CNBC / SurveyMonkeyスモールビジネスサーベイは、CNBCの中小企業専門のニュースサイトですが、どの記事の見出しを見ても、芳しくないキーワードが目に付くようになってきました。
どの国でも「大手」と名のつくメディアは同じようなものですが、特に米国の主流メディアは、国内および世界経済が直面している不安定な状況を取り繕い続けているので、多くの人々は、迫りつつある経済崩壊が、どれほど悲惨な結果となるのか想像もできないようです。
なにより、米国の主流メディアが、中小企業の経営者を対象として、リセッション(景気後退)の予測を求めたのは2年ぶりのことです。
しかし、今後、他の主流メディアも、同じような調査に乗り出すでしょうから、「不況が迫っている」と予想している中小企業経営者の割合が53%から増えていくことは確実です。
ウォール街もリセッション入りを懸念
いっぽう、ウォール街で働く人々に対する調査でも、景気後退に対する懸念が高まっています。
エコノミスト、ファンドマネジャー、ストラティジストを対象として1月に実施されたCNBCーFRB調査では、今後12ヵ月のうちに景気後退に入ると考えている投資家は26%で2016年1月以来最高となっているとのこと。
最近のウォールストリートジャーナルのエコノミストに対する調査では、7年ぶりの高水準での不況に突入する恐れがあることが判明しました。