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米CNBCによる2016年米市場「10の懸念」~海運低迷、原油安etc.=矢口新

2. 商品価格の下落について

商品価格の下落は供給過多によるところが多い。これは需要を先食いしたともいえ、将来の景気後退を暗示する。

原油については、下記を参照して頂きたい。
原油の長期需給バランスは低価格でしか安定しない。目先は反発も。[PFF]

先物市場は本来、商品の生産者がヘッジ目的のために利用するものだ。例えば、原油価格が1バレル50ドルを超えれば、採算が合う生産者がいるとする。

現状では、採算割れなので何もできない。しかし、原油先物が50ドルを超えてくれば、先物を売却することで、利益を確定することができる。

コスト45ドルの生産者が、先物価格50ドルの時、先物100万バレル相当を売ったとすれば、その後価格が60ドル、70ドルに上昇しても、40ドル以下に下落しても、500万ドルの利益が確保できる。先々の生産分までも売ることができれば、それ以下のコストのものを新規に採掘することもできる。

生産者の数と事情、埋蔵量の大きさとを鑑みれば、原油価格の上値は重い

代替商品を含めれば、大半の商品は似た状況にあると思われるので、商品価格の上値は重いかもしれない。

3. 2015年第3四半期の名目GDPが2.7%にすぎないことについて

米連銀の現状の金融政策は、ゼロ金利と未曽有の資金供給量を維持したままという、非常事態のままのものだ。このことは、仮に米国が景気後退入りをすれば、量的緩和再開以外の手がないことを意味する。

貿易量が減り、モノ自体が動かない中で、マネーだけを刷り続けるという異常事態に陥ることになる。

4. 売上の低下と在庫の増加について

モノ自体が動かなくなってきている。

5. 米国債利回り曲線のフラット化について

米国にも日本化現象が起き始めている。超低金利政策の継続、量的緩和による長期国債の買い上げでは、起きるべきして起きる現象だ。

6. 企業の自社株買いと実際の利益の減少について

モノが動かず、カネが余ると、自社株買いやM&Aは自然な選択肢だ。モノが動かないと増収増益は難しくなる。

Next: 「多国籍企業の利益を蝕む」ドル高は大きな懸念ではない

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