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困難となりつつある政府・日銀の株価対策~国債市場動揺の恐れも=久保田博幸

年金買いと日銀ETF買いの限界~国債市場に動揺が走る懸念も

公的年金などがアセットアロケーションの変更という名目で、株式市場で押し目買いを入れて、債券市場では超長期債を売却した可能性がある。

しかし、海外市場での株価や原油価格の下落が止まらない限り、このような施策にも限度はある。すでにGPIFのアセットアロケーションの調整もだいぶ進んでいたはずであり、また日銀によるETFへの買いにも限界がある。

今年度の補正予算案もまもなく可決されることで、ここからあらたな財政政策を講じることも難しい。

そうなると日銀の追加緩和への期待が強まりそうだが、果たして日銀が追加緩和を講じるとしても、それが株高や円安を招くかどうかも疑問である。

12月のECBの追加緩和に対する市場の反応をみれば、むしろ中途半端な追加緩和は逆効果になりかねない。

このように政府と日銀は現在のところ、外部要因による日本株の下落や円高、さらに原油安に対しては有効な手段はとり得ないと思われる。

むしろここは対策の可能性は示しても、外部環境が落ち着くのを待った方が得策ではなかろうか。あまり無理強いすると、ここは岩盤のように動かないはずの国債市場に動揺が走る懸念すらあり得る。

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牛さん熊さんの本日の債券』2016年1月18日号より
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