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なぜ日本人は社畜を続ける?違法な時間外労働、約半数が過労死ライン超え=鈴木傾城

残業代なしの長時間労働は、見えない賃金引き下げ

長時間残業をさせて残業代も払わない企業を「ブラック企業」と日本人は呼んでいる。

日本で長時間残業が減らないのは、意図的に社畜を作り出すと同時に、コスト削減も実現するためである。

日本人はグローバル化した世界から見るとまだ賃金が高い。企業がそれをカバーするためには日本人に無給の長時間残業をさせることで帳尻を合わせる。

企業はすでに国境を越えて活動しており、安い賃金でも働く労働者が世界中にいることを知っている。途上国に行けば、安い給料でも雇いきれないほどの人たちが職を求めて殺到する。安い働き手はいくらでもいる。

だから、高賃金・好待遇を要求する日本人の労働者は、本来であれば賃金を下げるリストラするのが合理的経営となる。しかし、非常時でもないのに賃金も下げたりリストラしたりすると社会的に批判を浴びる。

だから、残業代なしで長時間残業させて帳尻を合わせるのである。それが「日本人を雇う秘訣」だった。残業代なしの長時間労働は、見えない賃金引き下げと気付くべきなのだ。

もうサラリーマンでは生きられない

しかし、これからの時代は「残業代なしで長時間働かせる」というシステムは批判の対象になって使えなくなるかもしれない。

だとすれば、どうなるのか。

簡単だ。経営者は従業員の賃金を下げるか、リストラが容易になるように非正規雇用をより増やす。あるいは外国人労働者を入れる。

どのみち企業の方向性は「より安く雇う」にあるので、その流れは決して止まることはない。

だから、日本人の8割を占めるサラリーマンは、よほど優秀な人でもない限り、どんなに働いても給料が上がらない。物価が上がっているのに賃金が上がらないのはそういうことなのだ。

我慢していれば状況が良くなるわけではない。先に行けば行くほど、労働環境は悪くなっていく。もはや、このままでは多くの日本人が、日雇い労働も同然の待遇と賃金になっていく。

さすがにもう、日本人もサラリーマンという生き方に疑念を持ち、別の生き方を模索してもいい時期に入っている。

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