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なぜ中国とロシアは急ピッチで金を買い漁るのか?ドル覇権の没落はすぐそこ=今市太郎

中露の金購入は米国との対立激化に対する準備か

こうした中国とロシアの米債売り・金購入という動きは、今後米国との対立が激化したときに、様々な制裁から逃れるためにも米ドルや米債などを保有せずに、安全資産でいつでも処分が可能な金にシフトし始めていることが窺われます。

この動きは収まる気配がなく、米中、米ロの対立が加速すればするほど、両国の金購入は進むことが予想されます。

米ドル・米債はどこへ行く…

こうなると気になるのは、米ドルおよび米債の行方ということになります。

とくに中国とロシアが積極的に米債を売って金の買いを入れることになると、米債価格は大きく下落することが考えられますし、この先さらに借金をして何とかしなくてはならない米国がつらい状況に陥るリスクも高くなりそうです。

さすがに日本だけでは新規の発行債を買い支えることはできませんから、債券市場もどうなるのかが非常に注目される状況となってきています。

誰も買わなくなる米債・米ドルの時代

日本円にして2,200兆円超という莫大な政府の負債をかかえる米国では、たしかにトランプが言う通り金利など上げている場合ではないでしょうし、真面目に債務を返済するつもりなど全くない米国政府がドル安で帳消しにしてやろうと画策するのも非常によくわかる状況です。

しかし基軸通貨として機能してきたドルがこうした主要国の通貨争いの中で敬遠されていくようになると、ドル安ははからずも実現するかもしれませんが、米債も買われなくなる時代が到来するのは時間の問題のようにもみえます。

トランプのやり方は本当に正しいのか否か。これを問われるタイミングがほどなくしてやってきそうな雰囲気になりつつあります。

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