ここのところ金価格が上昇しています。その引き金は中国・ロシア政府が莫大な金の購入を継続していること。いよいよドル覇権が危うくなってきました。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年7月24日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
世界の中心から米国がいなくなる?金融情勢はここから激しく動く
無視できない金(ゴールド)価格の上昇
ここのところドルベースでの金価格が上昇しているのはご存知の通りですが、民間の投資家から資金が金に流れこんでいるのもさることながら、中国・ロシア政府が莫大な金の購入を継続していることも価格上昇の引き金になっているようです。
要は既存の外貨準備高の構成の中で金の保有を猛烈に増やしている状況にあるということで、あきらかに政策を変更しつつあることが窺えるわけです。
中国とロシア、「金保有を増やす」政策へ
中国政府は5月に16トン、6月に10.3トン購入しており、この半年ではなんと74トンも増やすほど急ピッチで金に資金をシフトしています。
一方、ロシアも保有高は着々と増やしており、中国のように一気に増加させているわけではありませんが、その保有量は完全に中国を超えたレベルに達しています。
世界の金保有でいいますと、ロシアが6位、中国が7位を占めています。
非常に興味深いのは中国は金の生産国であるということで、ほぼ年間400トンほどの金を生産していますが、鉱山から得られた自国生産の金はすべて国庫に納められていると見られていますので、実際の保有量はもっと多い可能性もありそうです。
一方、米ドル保有比率は低下中
それとは逆に、世界の主要中央銀行の米ドルの保有比率は徐々に低下しつつあります。
これらのことから、世界の金融市場における基軸通貨としての米ドルのプレゼンスはどんどん下落しようとしていることがわかります。
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