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「内定辞退率」判定情報の提供と13社による売出しで急落したリクルートは買いなのか?=栫井駿介

「金のなる木」の国内事業、スターの「indeed」

同社は現在、「グローバル」「人材」の分野で積極的な拡大投資を続けています。ただし、最も利益を出しているのはリクナビ、SUUMOなどの国内メディア&ソリューション)分野です。

出典:2019年3月期 決算説明資料

出典:2019年3月期 決算説明資料

リクルートにとって、国内分野は「金のなる木」に他なりません。他に並ぶ企業もなかなかありませんから、AIを利用することでこれからもますます安定的にキャッシュを生み出すものと思われます。

さらに、大きな成長が期待できるのが、職探しに特化した検索サイト「indeed」です。

仕事探し版のGoogleで、同社が社運をかけている事業です。みなさんも、テレビでよくCMを見かけるでしょう。

【関連】リクルートはGoogleを倒せるか?「仕事探しはIndeed」のCMから分かること=栫井駿介

これが世界的に業界を席巻できれば、職探し分野においてはGoogleにも太刀打ちできないメディアになる可能性を秘めています。投資家もここに大きく期待しているのです。

不安要素は「海外人材派遣事業」―買収は正しかったか?

気がかりなのが、海外人材派遣分野です。2014年の株式上場の前後に、同社は多くの海外人材派遣会社(米・欧・豪)を買収しました。

その結果、シェアは世界第4位にまで拡大しましたが、利益水準は他の事業に劣ります。競争も激しく、必ずしもおいしいビジネスではなかったと考えます。

人材派遣ビジネスは、景気が良いときは多くの需要があるのですが、景気が悪くなれば途端に需要が低迷します。したがって、ここ数年の業績は「追い風参考」と考えた方が良いのです。

もし世界景気が落ち込むことがあれば、単なる業績悪化にとどまらず、買収によって発生した4,000億円にのぼる「のれん」の償却を余儀なくされる可能性があります。そうなれば、一時的にでも厳しい環境に陥るのです。

Next: 現在の株価の下落は買い時となるのか?

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