※本記事の見出し・改行・太字はMONEY VOICE編集部によるものです
変わったのは韓国ではなく日本。「村山談話」が日韓の基本法だ
韓国が筋を通す形に出てよかった
GSOMIA(軍事情報協定)を韓国政府が破棄決定した件について、私の受け止めは日本のマスコミ報道や多数世論とは異なる。筋を通す形に出てよかったという感想だ。文在寅の年頭会見を聞いたときと同じである。
大方の予想は、米国の強い意向と要請もあって、韓国はGSOMIAを延長するだろうとの見方だったが、私はその選択は妥当ではないという立場だったため、躊躇なく破棄の決断に出てよかったと思っている。韓国の国家百年の計を見通したとき、ここで安易な妥協に出て、日本(右翼日本)との間で下手な外交の駆け引きに出るのはよくない。国家間の外交はどこまでも原理原則に即くことが大事で、そこから離れて無理な妥協をすると、後で取り返しのつかない重大な失敗に陥る。禍根を残す。
朴槿恵の2015年の「慰安婦合意」がその典型例だ。あの錯誤と迷走によって、慰安婦問題はほとんど解決不可能な泥沼に入り込んでしまった。
日韓の外交関係は、1995年の村山談話に基づくべきで、韓国はそこから後退してはいけない。
日韓の外交関係は、1995年の「村山談話」に基づくべき
文在寅の考え描く日韓関係というのは、村山談話の理念が具体化されたものであり、その関係でなければ両国はだめだというものだ。それでいいと思う。
韓国は、政府も民間も、村山談話のあり方が基本でなければ日韓はだめだという態度を明確にすべきであり、本来のあり方を粘り強く日本側に説き伝え、日本国民が理解するように努める必要がある。戦後50年の節目に宣言された村山談話が日韓の基本法なのであり、そこで謳われた精神に則って政府も民間も関係を組まなくてはいけないのだ。
今の日本の韓国に対する姿勢は、政府もマスコミも国民も、あまりに右翼化して村山談話から遠く離れすぎている。村山談話から遠く離れていることを、文在寅の対日外交の現実が教えていて、つまり、文在寅とは村山談話の化身なのだ。そこに本質と実体があるのだ。
今の日本の文在寅に対するアレルギーとヒステリーは、村山談話に対するアレルギーとヒステリーである。病気に陥っているのは右翼日本である。歴史認識こそが国家間の外交関係の根本だ。