長期目線では日本に投資できない? いつ日本を見限ったのか
ロジャーズ氏は「日本株は私が一〇年以上の長期にわたってお金を投資しておきたいところではない」というのです。
理由は、少子化と財政問題を長年の間放置していたからです。
日本株をすべて手放したのは、2018年秋のことだった。予想どおり私が日本株を買った当時よりも株価は値上がりし、利益を得ることができた。
そして今は株であれ通貨であれ、日本に関連する資産は持っていないし、この先買う予定もない。
日本経済を破壊するアベノミクスが続き、人口減少問題を解決できない限り、この判断を変えることはないだろう。
出典:『日本への警告』(著:ジム・ロジャーズ/刊:講談社+α新書)
年金制度の改革が急務
さて、日本は年金制度の改革が急務となっていますが、痛みを伴うドラスティックな改革が果たしてできるのでしょうか。
日本の政治家は派閥の中で影響力を行使して上に上がっていかなければなりません。また、内閣の支持率が下がると、いつまた選挙になるか分かりません。選挙の際には選挙権を持つ人数が多い高齢者の声が政治に反映されやすい構造になっています。
こうした中、大改革を実行することは非常に難しいと言えるでしょう。
ロジャーズ氏も「日本の今後を考えたときには暗澹たる気持ちにならざるを得ない」と言います。