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JTは下げ止まるのか?ついに配当利回り約7%…嫌われる銘柄にこそ妙味あり=栫井駿介

嫌われる銘柄にこそ妙味あり。『株式投資の未来』が教えてくれること

実は、たばこ株が売り込まれるのはこれが初めてではありません。

上場時にも「先が暗い」という理由でNTTやJRと比べて投資家からそっぽを向かれました。民営化で唯一の「初値当落率マイナス」を記録しているのです。

また、同業のフィリップ・モリスも、過去に立て続けに訴訟を起こされたことで株価は暴落しました。しかし、その後持ち続けて配当を再投資し続けたとしたら、年率リターンは1953~2003年の年率リターンは19.8%になったのです。これは、100万円が50年間で83億円にもなる天文学的な数字です。

フィリップ・モリスのケースは、長期投資の名著『株式投資の未来』に詳しく記載されています。まだ読んでいない人は、ぜひ読んでください。

著書によると、超長期でリターンをもたらす銘柄の特徴は「つぶれない会社」で「世間から忌み嫌われているために割安」ということです。そのような会社を持ち続け、「配当を再投資する」ことで、超長期では高いリターンをもたらすのです。

これは、まさに今のJTの状況ではないでしょうか。潰れる可能性は極めて低く、ESG投資で嫌われ割安(PER11倍)、それでいて高配当(利回り7%)です。

そうなると、ホルダーに求められるのは、株価変動に左右されず、配当を淡々と再投資し続けることです。もし株価が下がり続けたとしても、13年持ち続ければもとが取れる計算です。悪い投資ではないと思います。

もっとも、本に書かれている現象が「たまたま」そうなった可能性も否定しません。だからこそ、様々な可能性を想定し、少しでも有利と思われるところに手を出すことが、投資家としてあるべき姿です。


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image by: Kenishirotie / Shutterstock.com

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2019年9月4日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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