fbpx

地球寒冷化は本当か? 2020年から台風・地震・噴火がさらに凶悪になる=高島康司

地球寒冷化の根拠その1:熱塩循環の崩壊

世界の気候は熱塩循環という海流の循環によって維持されている。

メキシコ湾海流のような海の浅いところを流れる海流は北極で深く沈み込み、北大西洋深層水となる。この深層水は数百メートルの深さで海流を形成し、1200年かかって北東太平洋で表層に再度出て来る。

海流の移動は、熱やガスそしてあらゆる溶解物質を運ぶ。これは地球の大気に影響し、気象のパターンにも影響する。

地球の温暖化が進むと水循環が活発となり、さらに温暖化が進む。水循環とは、海水が蒸発して雲になり、そして雨となって海水になり、また蒸発するという循環である。

これが活発になると、いっそう多くの水蒸気が蒸発して雲が厚くなるため、地上の熱が上空に逃げにくくなる。このため温暖化が進行するが、それが原因でさらに多くの水蒸気が蒸発し、温暖化が加速する。

他方、温暖化の加速と降雨量の増加で、地表の氷河や万年雪が大量に溶け出し海へと流れ込む。これにより海水面が上昇すると同時に、海水の塩分濃度が低下する。

海水の塩分濃度の低下があるレベルに到達すると、世界の気候を維持していた熱塩循環が停止し、気象変動の引き金となる

過去3回の寒冷化は、温暖化を引き金とした熱塩循環の停止が原因で起こったことが分かっている。

地球の温暖化は60年間続いている。温暖化はそろそろピークに達し、過去同様、今回も熱塩循環の停止から寒冷化の時期に入ることが予想される。

そしてそれは、8200年前に起こった急激な寒冷化に近い状態となると思われる。

地球寒冷化の根拠その2:太陽活動の変化

地球温暖化にしろ寒冷化にしろ、その最大の原因は人為的な温室効果ガスの発生ではない。それは背景のひとつではあっても、根本原因ではない。

地球の気温変化の最大の要因は、太陽活動の変化である。

太陽は11年周期で変動を繰り返しているが、現在のサイクル24ではピーク時の黒点数は82に過ぎなかった。これは過去のサイクルのピーク時の平均黒点数、140から220を大きく下回っている。

黒点数の増減は、太陽活動の活発さを表す指標である。黒点の多いサイクルでは太陽活動は活発となり、太陽放射も大きくなる。少ないサイクルでは逆の現象が見られる。現在のサイクル24の黒点数が少ないことは、これから温暖化ではなく寒冷化に向かうことを示している

2019年後半から2020年のはじめに始まるとされている次のサイクル25は、「グランド・ソーラー・ミニマム」と呼ばれる時期で、黒点数がさらに減少して太陽が不活発になると予想されている。

これは、黒点数は平均で50ほどしかなかった1645年から1715年まで続いた「マウンダー極小期」と同様の状況になる可能性を示唆している。「マウンダー極小期」では、特に北半球の平均気温が0.2度ほど低下した。このため、記録では、1683年から84年にかけて、冬にはイギリスのテムズ川が2カ月間、28センチの厚さの氷で凍結した。氷はイギリス、フランス、ベルギー、オランダなどの沿岸部の沖、数キロまで拡大し、交易や漁業に大打撃を与えた。さらに農業にも大きな打撃があり、食料生産が減少した。

「マウンダー極小期」の寒冷化の原因は、太陽活動の停滞である可能性が高い

そうであれば、黒点数が減少して太陽活動が不活発なサイクル24から、さらに停滞するサイクル25にかけて、寒冷化を示唆する現象が現われていてもおかしくない

Next: 実際は寒冷化を示す現象も兆候も観察されず。地球はどっちに向かっている?

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー