3.策師・黒田総裁の大胆な金融政策
3つ目の弾は、今までアベノミクスの中心だった「第1の矢・大胆な金融政策」だ。これとて終わったわけではない。
12月18日の黒田発言は日経平均5千円安(19,800円~2月12日の14,862円)の引き金を作ってしまったし、1月の「マイナス金利導入」は混乱を招き、事後に賛否の諸説が出回った。だが、策師黒田総裁の“灰色の脳細胞”は枯渇したわけではない。
しかも、今後の日銀金融政策決定会合は先週号で述べたとおり「6対3」で決められる。彼は「いつでも抜くぞ」と刀の柄に手をかけて売り方を睨んでいる。
この3つの弾をそろえて7月10日を迎えるつもりであろう。しかも第1の弾(財政出動)と第2の弾(消費増税延期)は目に見えるかたちで出る。
現に16日開催の「国際金融経済分析会合」では、消費増税反対の自説を説くことを期待して、ノーベル賞受賞学者で「今の時期に日本は消費増税をやるべきでない」とするスティグリッツ博士とクルーグマン博士を呼んだ。これが世論を作るためなのはミエミエである。
自民党は、自分で呼んだ憲法学者にテレビカメラの前で「違憲だ」と言われて慌てたから、今回は学者を選びに選んだだろう。
『山崎和邦 週報「投機の流儀(罫線・資料付)」』(2016年3月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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