韓国の自動車産業「壊滅的」被害
今のところ、武漢肺炎で大きな影響を受けているのは韓国の観光・航空と自動車の生産工場となっている。
特に製造業では「ワイヤーハーネス」という言葉がキーとなっている。このワイヤーハーネスとは何なのか。調べたところ、電源供給や信号通信に用いられる複数の電線を束にした集合部品のこと。自動車の車内廃線や、多くの電気配線を必要とする機械装置で使われるそうだ。
しかも、このワイヤーハーネスは生産する車ごとの特注品であって、すぐに他のワイヤーハーネスを使うなどということはできないようだ。
つまり、オーダーメイドなので、韓国の自動車工場はワイヤーハーネスの在庫が尽きたことで、それ以上、何もできなくなって生産中断を余儀なくされた。
代替品がないので、中国の工場が奇跡的に稼働を再開し、ワイヤーハーネスを生産して韓国に運ばれるまでは、生産は不可能ということだ。
はっきり言って、これは絶望的な状況だ。
なぜか韓国では「中国の工場は10日から稼働する」という甘い見通し広がっている。稼働したところで、春節明けではフル生産はできないだろう。
被害は1,000億ウォン(約92億円)? そんなものでは済まされない…
韓国メディアによると、武漢肺炎の影響で、韓国の自動車生産の被害額は少なくとも1,000億ウォン以上だといわれている。
もちろん、数日で工場が稼働して生産が可能でならの最低金額である。だとすれば、1,000億ウォンの損害で済むはずもなく、雪だるま式に損害は増えていく。
しかも、自動車だけではない。
韓国半導体の部品も中国に輸出するのはストップされた。中国は大規模な半導体の工場を造って生産しようとしていたわけだが、武漢肺炎でそれがすべて保留となった。少なくとも3ヶ月は延期されたという。
つまり、部品を売る先も急になくなった。そのため、資金回収もできなくなった。余裕のない韓国の中小企業には致命的である。
しかし、本当の問題はこれから発生していく。