見たことがないほど巨大な衝撃となって若者を襲う
バブルが崩壊した1990年代以後の若年層は、日本の社会が景気後退を深めれば深めるほど就職ができなくなり、何とか見つけた仕事も「非正規雇用」だったりして、人生の安定を手に入れることができなくなった。
その結果、彼らは長らく貧困を強いられるようになって、豊かになる展望も持てず、結婚もできず、生活が不安定なまま人生の大半を消耗してしまうことになった。
2020年から突如として全世界を覆い尽くした中国発コロナウイルスは、もはやリーマン・ショックを超え、バブル崩壊を超え、世界大恐慌になろうとしている。コロナ禍が長期化すればするほど恐慌になってしまう危険性が高まっていく。
つまり、これから社会に出る若年層は、大半が貧困に突き落とされる運命にあるということである。
本人の努力・才能ではどうにもならないほどの苦境
「いや、才能がある若者はそれでも成り上がる」「どんな社会環境でも努力すれば何とかなる」というのは、ほんのごく一部のレアケースである。大半はそのまま貧困に落ちてしまう。
こうした事実は、すでにバブル崩壊以後の30年で実証されていることを知るべきだ。
1990年代のバブル崩壊・就職氷河期、2000年代からの非正規雇用者の増大によって、日本社会は平均年収186万円の低賃金層(アンダークラス)が930万人も誕生して、彼らはもはや這い上がれないほどの貧困の中で暮らしている。
さらにその中でもどん底の若者たちは、もう住所すら持てないほど追い詰められている。
「どんな社会環境でも努力すれば何とかなる」というのは悪質な嘘だ。
努力しても何ともならなかった若者が、今の社会のアンダークラスを形成するほど巨大な存在となったのだ。