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株価急落でもコロナバブルは終わらない。夏までに日経平均2万4,000円へ=藤井まり子

まだ「コロナバブルPart1」は弾けていない

「コロナバブルPart1」は「マネーゲーム」の要素が強いです。

ハイパー過剰流動性の中では、まずはあり得ないような「夢物語」でさえも、バブルを生まれ安くなっています。

昨日6月11日のわずか1日だけで、アメリカ株式市場は、ダウで言えば、わずか一日で1,862ドルも下落しました。およそ6.90%もの急落でした。

今回の急落の原因として、専門家の多くは「6月10日のFOMC決定の中身があまりにも想定の範囲内だったので、デイトレーダーたちが利益確定に走ってしまった」とか、「アメリカ国内の一部の都市での感染第二波の兆しが表れた」などを挙げています。

それは間違いです。

一番の理由は、今後ともアメリカ国内の失業率が高止まってしまう結果、秋の大統領選挙での「トランプ大統領の再選」が改めて危ぶまれるようになったことでしょう。

トランプ再選が無理で、次期大統領がバイデン氏となれば、アメリカ株式市場は5~6%下落すると予測されています。

ということは、今回のアメリカ株の急落は、「絶好の押し目買いのチャンス」である可能性が高いです。

昨日株価の急落を受けて、ムニューシン財務長官は、「第二波が訪れてもロックダウンは行わない」「第二波が訪れて経済が失速するようならば、さらなる財政出動を行う」と発言しました。

「コロナバブルPart1を支えている夢物語」は、今回の急落においても、まだまだ弾けていないと指摘できます。

アメリカで急増する「にわか個人デイトレーダー」たち

さて、アメリカでは、今回のコロナ禍の中で、1人当たり1,000ドルの補助金がばら撒かれています。4人家族ならば、4,000ドルの補助金です。

その結果、アメリカの株式市場では「にわかの個人トレーダーたち」が数多く現れました。

5月半ば以降のアメリカ株式市場の上昇は、彼ら初心者クラスの「個人デイトレーダーたちの超楽観主義」がけん引しています。「いかにもアメリカ株式市場らしい上昇の仕方」でした。

彼らデイトレーダーたちの間では、自らを「ウォーレン・バフェットを越えた!」と自認する人物も現れたりしています。

彼らデイトレーダーたちは、すっからかんになるまで「株式市場の上昇」に賭け続けることでしょう。

すなわち、今回の急落は、「調整の始まり」ではなく、ただの「絶好の押し目買いのチャンス」だろうということです。

マネーゲームだと理解して乗っかるプロ投資家たち

さて、「コロナバブルPart1」は、

・9月までにワクチン開発に成功する
・10月になっても感染第二波は訪れない

といった、「冷静に考えれば、あり得ないような夢物語」に支えられた「マネーゲーム」です。

ゲームですから、「ワクチン開発」が9月までに成功するなんて、プロならば誰もお腹の底では信じてはいません。

信じてはいないけれども、ゲームが始まってしまったので、プロのファンドマネージャーたち「も」このゲームに乗っかっているのです。

ただし、「嘘から出た実(まこと)」というケースも想定されます。

パンデミックの中、「溢れんばかりのハイパー過剰流動性(ヘリコプターマネー)」に支えられて、さらには、1年後には訪れるであろう3~5%のインフレ時代を見越して、「コロナバブルPart1」がうなりを上げて燃えさかっているのです。

しかしながら、従来とは質量ともに桁違いの「ハイパー過剰流動性」と、これに裏打ちされた「1年後から始まるであろう3~5%のインフレ時代」を見越して、株価は「たいていの悪材料株」を乗り越えていくことでしょう。

おそらく、「9月までのワクチン開発の成功」「10月になっても第二波は訪れない」といった「期待(夢物語)」が赤裸々に消滅し始めれば、「潮が引くように」、株式市場は調整を開始することでしょう。

すなわち、7月か8月(?)には史上最高値を更新して、その後「利益確定の夏枯れ相場」が巻き起きることでしょう。

Next: 実はこの「ヘリマネによるハイパー過剰流動性」には「出口」がありません――

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