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タイ・バンコクから「生活保護受給者のパチンコ問題」を考える=栗原将

もし私がいま滞在しているタイで「パチンコをしながら生活保護が受けられる」となったら?国民気質的に、まず間違いなく、大量の生活保護申請が出そうです。(『海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』栗原将)

日本だからなんとか収まっている?生活保護制度の矛盾

「生活保護でパチンコ」に賛否両論

大分県別府市で、生活保護受給者の中でパチンコをしていた人に対して、指導の上、受給額を減らしていたことに対して賛否両論が巻き起こっていますが、結局、厚労省が「調査は適切ではない」と指導を行い、減額は止まることになったようです。

この地方行政に異議申し立てをした弁護士などの論拠としては、憲法第25条を根拠にしている(文化的な最低限度の娯楽は許されている)とのこと。また、厚労省からも「生活保護法に遊興費の支出を禁じる直接の規定はない」との指摘がありました。

今回は、この現状に対する個人的な思いは敢えてコメントしないでおきますが、もし、今、滞在しているタイで、“パチンコのようなもの”(パチンコを娯楽かギャンブルかと定義するのも、敢えてやめておきます・笑)をやっていても生活保護が受けられるとしたら、どうなるだろうか?と思いました。

まず、間違いなく大量の生活保護申請が出るでしょうし、すでに生活保護を受けている人が、頑張って再度仕事に就こうとはほとんど思わないでしょう(もっとも、日本みたいな生活保護の仕組みはありませんが…)。

つまりは、社会全体にモラルハザードが蔓延することになる。でも日本では、実際に別府市では、市民からの苦情(生活保護受給者が昼間からパチンコ屋に入り浸っている)により市が動いたようですが、では、苦情を申し立てた人たちが仕事を辞めて、生活保護を申請するような動きになるかというと、そうはならない。

日本だから、なんとか収まっている(ように見える、少なくとも海外から見ている限りではですが…)のですが、外国の人の中には、「なんて素敵な国なんだ」と思う人がかなり多いのではないかと。

生活保護費が海外に流出する恐れも?

すでに、一部国の人(女性がメインですね)が日本人男性と偽装結婚して日本国籍を取得、母国の“彼氏(旦那)”との間に作った子供を日本人旦那に認知させて、ある程度経過したら離婚。そして、母国の旦那を日本に呼んで生活保護で暮らしているケースもあるようです。

生活保護費に“最低限の娯楽費”が含まれているわけですから、もしその分を使わなければ、母国に送金もできます。地下銀行でも使われたら、地方行政レベルで補足することなどできません。

大部分の日本人は働く事を美徳としているから、今の制度がなんとなく成り立っている訳ですが、もし、次第に考え方が変わってきたりしたら、かなり面倒なことになるのではと思わざるを得ません。

【関連】「バンコク暮らし」vs.「日本の地方都市暮らし」10年後のコスパはどっちが高い?

海外投資とネットビジネスで海外移住、ハッピーライフ』(2016年4月3日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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