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日本経済は「負けが九分に勝ちが一分」の大ピンチ。いま瀕死の業種とは?=斎藤満

財務省発表の「法人企業統計」を見ると、日本経済の壊滅的な状況がよくわかります。業種によって明暗分かれるも、日本は圧倒的に「暗」が主流です。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2020年9月7日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

緊急事態宣言の影響大

中国では昨年12月に新型コロナの感染が確認・報告され、旧正月から多くの経済規制がかけられました。このため、1-3月の中国のGDPは前年比6.8%の減少を見ました。

日本ではこれに遅れ、3月になって感染が急増し、影響が各所に見られるようになりましたが、4月7日に政府が緊急事態宣言を発し、5月いっぱい自粛を求められたため、経済への影響は4-6月期に大きく出ました。GDPは前期比年率で28.9%も縮小するという、現在の統計開始以来最大の落ち込みとなりました。

これは日本だけでなく世界的な現象で、その影響は業種や分野によってばらつきが大きいことも共通しています。米国ではコロナ禍でも株価がハイテクを中心に、コロナ前の高値を超え、最高値を更新するほどでした。

日本でもやはり明暗のばらつきが見られます。

日本は明より暗が大

財務省が1日に企業統計の集大成ともいえる「法人企業統計調査(令和2年4~6月期)の結果」を公表したので、これをチェックしてみましょう。

まず売り上げの動きをみると、全体で1-3月の前年比7.5%減から4-6月は17.7%減と、やはりコロナ自粛もあって縮小幅が大きく拡大しています。問題はその内訳です。

まず製造業は1-3月の5.5%減から20.0%減に急悪化していますが、その主役は自動車などの輸送機械です。ここでの売り上げは1-3月の6.2%減から4-6月は37.2%減と急落しています。このため、自動車業界の生産は4月に半減しました。この自動車の急減の影響もあり、その関連業界も縮小。例えば、鉄鋼も4-6月は24.3%の減収となりました。この他、汎用機械、生産用機械も2割前後の減収です。

非製造業ではサービス業と不動産にコロナの影響がうかがえます。サービス業の売り上げは、1-3月の13.3%減から4-6月は31.8%の減少と急縮小しています。また不動産は1-3月までは好調で、1-3月も21.1%増でしたが、4-6月になって突然10.0%減と落ち込みました。テレワークの拡大でオフィス・ビルの需要が減退し始めました。

その一方で、「明」の部分と期待された情報通信業は1.1%の増収にとどまり、1-3月の2.7%増から高まっていません。巣籠生活でSNSの利用者が増え、コンテンツの需要は増えましたが、分類が大きい分、そのメリットが十分出ていないようです。また、建設業も4.3%の減と、影響は軽微のようです。

意外だったのは、巣籠生活で多くの人が宅配などを利用しましたが、運輸・郵便業の分類では売り上げが1-3月の10.5%減から4-6月は23.3%減に落ち込んでいます。ここには、宅配関連の増加を打ち消すほどの、鉄道や空運の需要減少が大きく、これらが一緒になっているため、悪いほうの影響がより強く出たとみられます。

Next: 業種によって明暗分かれるも、日本は圧倒的に「暗」が主流

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