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トランプ再選、中国の妨害工作で窮地?カネが物を言う大統領選でまさかの金欠も=斎藤満

11月3日に迫る米大統領選は、最後の詰めの段階でトランプ陣営に陰りが見えてきました。バイデン候補との支持率の差が再び開き始め、中国からの妨害工作と見られる動きもあります。そしてここに来て、トランプにまさかの選挙資金不足との情報まで出てきました。(『マンさんの経済あらかると』斎藤満)

※本記事は有料メルマガ『マンさんの経済あらかると』2020年9月7日の抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:斎藤満(さいとうみつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。

トランプ陣営の勢いに陰り

11月3日に予定される米国の大統領選挙が迫っていますが、トランプ陣営の勢いに陰りが見えます。

ひところ、民主党のバイデン候補がトランプ大統領に支持率で10%を超えるリードを見せていたのが、9月になって差が縮小。中にはその差が3%と、トランプ陣営が急速に追い上げているとの調査もありました。隠れトランプ支持者を考えれば、実質的にトランプ氏が逆転したことになります。

ところが、ここへきて風向きが変わってきました。16日発表のロイター・イプソスの調査では50対41でまたバイデン候補がリードを広げました。最後の詰めの段階になって、トランプ陣営の戦略に空回りも見え、反トランプの動きも強まっています。

ネバダ州の集会で目立った空席

これを象徴する「事件」がありました。

トランプ大統領は9月12日、支持率で劣勢にあるネバダ州で集会を開きました。リノ近郊の空港で開いたのですが、陣営は何万人も集められると期待していたのが、実際に集まったのは数千人で、後ろのほうは空席が目立ちました。ここでトランプ氏はバイデン候補を「哀れな男」と批判し、自分はあと12年やると意気込みました。

しかし、思いのほか集まりが悪かったこと自体に怒りを覚えたようで、いつになくバイデン候補のみならず、メディアにも郵便投票に対しても怒りをぶつけました。

中国からのトランプ妨害工作?

この集会の前に、ネットで集会に参加しないよう呼びかける書き込みもあったといわれ、これが中国か外部からの介入によるとの見方が出ています。

ロシアも中国も米国大統領選挙には介入していないとしていますが、明らかに情報操作と思われる書き込みがあり、米国外からの影響も否定できません。

ただ、ロシアのプーチン大統領はトランプ支持にあり、ロシアからトランプの足を引っ張るような書き込みは考えにくいと見られます。

むしろ中国は、トランプ・習近平主席の友人関係にもかかわらず、多くの中国企業、政府関係者がトランプ政権の終わりを期待しています。情報通信を中心に中国企業への締め付けが厳しいうえに、中国の政府要人や長老が、米中関係の悪化で自分たちの米国に預けている資産が凍結されることを懸念しています。中国要人のドル資産保有額は少なく見積もっても3兆ドル、最大では10兆ドルともいわれます。

それだけ、米中関係悪化をもたらしている習近平主席への不満も募っていますが、何としてもとランプ政権には終わってもらい、親中派とされるバイデン政権を誘導したい立場にあります。

Next: トランプにまさかの金欠病?一方、バイデン陣営には1億ドルの寄付が

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