共和も民主も民兵を組織?
このような状況なので、11月3日以降は大混乱になることがいまから予想できる。このような混乱に備え、すでにトランプ陣営もバイデン陣営も民兵のような集団を組織している。
トランプの選挙対策本部は、「トランプのための軍隊」の動員を呼びかけている。これは、「民主党による選挙の盗難を阻止するために、健常な男性と女性を動員」した部隊だとしている。いまのところこの軍隊がなにをするために集められているのかはっきりしない。また何人が集まったのかも不明である。しかし「軍隊」という以上、極右の武装集団も参加した民兵組織になる可能性は大きいはずだ。
一方、「BLM」運動を中核にした民主党を支持する団体も同じような組織を作っている。それは「選挙擁護者」という組織で、選挙における緊張の緩和を目的にするという。すでにこの組織には6000人以上のを動員に成功している。「アンティファ」や「NFCA」のように、「BLM」運動にも武装集団がいるので、この「選挙擁護者」という組織にも武装グループが加わる可能性がある。
予想される内戦
もし11月3日にトランプが、郵便投票の無効を主張して一方的に勝利宣言をしたらどうなるだろうか?
民主党系の「選挙擁護者」という組織は、トランプの勝利宣言を無視するだろう。そして、郵便投票がトランプ陣営の手に渡らないようにこれを守ることだろう。しかし、一方の「トランプのための軍隊」は、郵便投票の無効を主張し、これを自分たちが管理しようとするだろう。
この時点で、両者の間で銃撃戦のようなものはが始まる可能性は否定できない。まさに内戦である。
このようにいうと、あまりに現実離れしているように聞こえるかもしれないが、実はそうでもない。すでにしかるべき組織も似たような状況を予測している。
「トランジション・インテグリティ・プロジェクト」(TIP)」というプロジェクトがある。これは2020年6月に急遽立ち上がったプロジェクトだ。現状を憂慮した共和党と民主党の現職の上下両院議員やジャーナリスト、そして各方面の専門家が100名ほど集まって作った超党派のプロジェクトだ。現状分析から選挙の行方をシミュレーションし、将来起こる事態に準備することが目的だ。
その最新のレポートによると、「トランプは、権力を握ろうとして、法的手段と法の外にある手段の両方で結果に異議を唱える可能性が高い」とのことだった。「TIP」は一連の選挙危機シナリオのシミュレーションを実施した結果、「特にトランプが自分の支持者に武装することを奨励しているため、暴力的な紛争になる可能性が高い」と警告している。これは「内戦」という言葉がぴったりくる状況かもしれない。
日本の主要メディアでは、最高裁で選挙の結果が争われる可能性が中心的に報道されている。しかし、事態はもっと悪い方向に動きそうだ。現役の議員と専門家による超党派のプロジェクトが、すでに内戦に近い状況を予測している。トランプ支持の「Qアノン主義者」と、武装したバイデン支持の一部勢力が全米の大都市で暴力的に衝突する状況にもなりかねないのだ。
11月3日までもう1カ月を切った。本当に要注目だ。
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※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による
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