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トランプ感染はフェイク濃厚?支持者すら疑念抱き大統領選は内戦模様に=高島康司

トランプ支持の「Qアノン主義者」の反応

一方、トランプの新型コロナウイルスの感染は考え抜かれた偽装なのではないかという声は、反対の極にいる「Qアノン主義者」を中心とした極右グループにもある。彼らはトランプは、エリートに支配されたアメリカを国民の手に取り戻すための「アメリカ第2革命」を実行するために、神から指名された人物だという認識を共有している。

この「Qアノン主義者」が支配エリートの筆頭として名指しするのが、民主党である。そしてその中核にいるクリントン家とソロス家、さらにオバマが攻撃の対象になっている。クリントンは民主党の政治家を中心とした児童性愛のネットワークを運営しており、相当数の子供が行方不明となり、彼らの欲望の餌食になっていると信じられている。トランプの主導する「アメリカ第2革命」の目標のひとつは、クリントンのこのような悪を暴き、その児童性愛のネットワークを土台から破壊することである。

こうした世界観を本気に信じる「Qアノン主義者」を中心とした極右グループは、トランプが今回新型コロナウイルスの感染を発表したのは、この目標を実現するためであるというのだ。トランプの感染は事実ではない。フェイクである。トランプは自分が感染したことを口実に公的な場面からは姿を消し、それを利用してクリントンと民主党の悪のネットワークを根絶やしにする「アメリカ第2革命」を遂行するというのだ。つまり、「アメリカ第2革命」を遂行する機会を作るためにトランプは、感染を利用したのだという理解である。

このように、民主党系のリベラルも「Qアノン主義者」の極右も、トランプの新型コロナウイルス感染はおぞらくフェイクだと見ている。しかし、その理由は正反対だ。リベラル派は選挙を有利に進めるために利用したウソであると見ているのに対し、「Qアノン主義者」のようなトランプの岩盤支持層は、「アメリカ第2革命」を遂行するためにエリート層を騙したと信じている。

トランプは負けても認めない?

もちろん、この2つの見方が一致することはない。おそらくトランプの症状が本格的に悪化し、具合が悪くならない限り、新型コロナウイルスの感染はフェイクであるとする認識は左右両派から繰り返し出てくることであろう。ただ、リベラルはトランプの偽善性を攻撃する材料として、そして「Qアノン主義者」はトランプの「アメリカ第2革命」を支援する理由としてという根本的な違いはあるが。

では、11月3日に行われる選挙ではどんなことが起こるのだろうか?非常に気になるところである。少し具体的に予想してみよう。

トランプは、9月25日に開催されたバージニア州の支援集会で、自分が選挙に万が一負けた場合、「自分はそれを受け入れるつもりはない」と明言した。トランプは、郵便投票が不正投票であるという主張を繰り返し、民主党が不正行為をした勝利なので、自分はこれを認めることなないと聴衆に語った。

アメリカの大統領には、偽造または詐欺を理由に、郵便監察官に郵便投票を差し押さえるように命じることができる権限が与えられている。トランプがこれを行使した場合、郵便投票が開票されない可能性すらあるのだ。

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