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「パナマ文書」が政局の火種に 7月参院選を前に国民世論はどう動く=斎藤満

「ゴシップ」では済まされない大問題。ロシア、北朝鮮でも

今回の問題が衝撃的なのは、世界の多くのリーダーやその親族の名前があがり、世界中に問題が広がったことです。

その点では以前、ウィキリークスで内部情報がばら撒かれ、世界中の指導者の言動が暴かれたことと通じますが、今回はそれに加えて「お金」がからみ、犯罪とも関わる可能性があるだけに、「ゴシップ」では済まされない面があります。

ロシアではプーチン大統領の友人であるチェロ奏者が、タックス・ヘイブンで資産運用し、そこで得た資金がプーチン大統領への支援に使われた、との情報があり、ロシアの大統領報道官はこれを強く否定。これは来たるべきロシア大統領選挙でプーチン大統領を不利にしようと意図した陰謀だと、厳しく非難しています。

また北朝鮮の銀行が制裁逃れのために、タックス・ヘイブンに設立した銀行から資金を調達して、核実験や軍事資金に回していたとの疑いもかけられています。

また紛争が続いたウクライナのポロシェンコ大統領は、税金逃れのために租税回避地の企業を使ったと報道され、イランやシリアのリーダーもやり玉に挙げられています。

いずれにしても、租税優遇地の設定は経済合理性を持ち、これを活用すること自体は問題ありません。実際、今回の文書のように、世界のリーダーや富裕層が利用しています。租税優遇地を犯罪に使えば別ですが、それが明るみに出るかどうかは今後の各国の調査にかかっています。

この問題をあえて今暴こうとする動きには、所得格差への不満や、何がしかの政治的意図があるかもしれません。
「パナマ文書」をリークした米国の狙い~資金源に共和党、ソロスも

ターゲットは政治的に米国と対立する地域?

パナマは言うまでもなく米国の裏庭的存在です。

今回の文書流失は大量なものですが、そのターゲットとされたのは、米国やその同盟国よりも、ロシア、中国、北朝鮮、ウクライナ、シリア、パキスタンなど、政治的に米国と対立する地域や、ドイツ、フランス、スウェーデン、オーストリアなど欧州に集中している面があります。

この情報に基づく調査について、各国政府のみならず、経済制裁の抜け道利用も含めて違法なものがないか、米国が自ら調査に乗り出す姿勢を見せている点は注目に値します。

米国は本件を利用して米国に有利な状況に進める可能性があります。そして膨大な量の情報ゆえに、今後数ヶ月にわたって、様々な案件が露呈する可能性があります。

Next: 日本の7月参院選に影響も。国民世論はどう動くか?

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