米投資ファンドの最高投資責任者が、今冬のコロナ感染拡大についてスペイン風邪級になるとの予測を発表。楽観に過ぎる金融市場に暗い影を落としつつあります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2020年10月28日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
100年前の「スペイン風邪」に匹敵か
当メルマガでは春先から何度も新型コロナの第2波、第3波が大変なことになるのではないかという内容をお送りしてきました。金融市場でも同様のかなりネガティブな予測を出し始めているファンドのトップが登場しており、注目を浴びつつあります。
そのひとりが、グッゲンンハイムパートナーズのスコット・マイナード氏。かなり堅調に利益をあげる同社の最高投資責任者です。氏は顧客に宛てたレポ─ト上で、今回の冬のコロナ感染拡大について、100年前の史上最悪規模とされてきたスペイン風邪の感染に並ぶほどの拡大に陥るとの見方を示しました。
米欧における新型コロナの感染再拡大が、我々が想像するものよりもかなり悪いことが見え始めています。
もちろん、スコット・マイナード氏は別に新型コロナ感染のエキスパートではありませんから、この見立てがそのまま当たるかどうかはわかりません。
それでも、今回のコロナ感染ではまだ世界での死亡者は100万人程度であるものの、これが100年前の5,000万人に近づく規模のパンデミックになった場合には、ここからの世界経済、各国の景気動向は、株価が示す楽観相場とは大違いで、極めて厳しい状況になることも覚悟しなくてはならないところに差し掛かっています。
大統領選後のすったもんだと並行する新型コロナ爆発的再感染
たしかに足元ではイギリスの対EU交渉も、もはやそれどころではないかのように新型コロナに時間をとられている様子。まさに緊急事態という流れになっています。
米国はすっかり大統領選挙一色ですが、その傍らで、感染者数はやはり過去最大を更新。トランプかバイデンかで浮かれている場合ではまったくなくなりつつあります。
大統領選後のシナリオについて、当メルマガではかなりざっくりと3つのケースをご紹介しています。実はそれにまったく加味されていないのが、このコロナ感染第2波なのか第3波なのかの猛烈な拡大です。
死亡者こそ100年前のパンデミックよりは少なくても、重篤患者が爆発的に増える、またクラスタ化することで、想定を超えた拡大になった場合には、またしてもロックダウンを余儀なくされることになります。
そうなれば経済の大幅な縮減は確実となり、金融市場にネガティブインパクトとなりそうな雰囲気が強まりつつあります。