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あの過激ユーチューバーにも飛び火?ドンキ前社長にインサイダー疑惑浮上

ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の親会社であるドンキホーテホールディングス(現、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス)の前社長が、同社の資本提携に関する情報を公表前に知人に伝え、株式購入を勧めていた疑いがあることが、関係者の話で判明したことが報じられた。

報道によると、流通大手のユニー・ファミリーマートホールディングス(現、ファミリーマート)との連携強化策として、ユニーがドンキHD株のTOBを実施した際に、その内容を事前に知人の会社社長に伝えた疑いがあるとのこと。

ドンキHD株は、TOB公表前に5,000円台で推移していたが、公表後は6,000円台後半まで上昇。知人の社長は、伝えられた情報を基にドンキHD株を購入し、公表後に売却することで多額の利益を得たという。

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ドン・キホーテを1兆円企業に育てた超一流の経済人

この「ドンキHDの前社長」と報じられている人物、報道ではその名が伏せられているが、ネット上では昨年9月までその役職に就いていた大原孝治氏ではないかと、半ば断定されているようだ。

大原氏といえば1993年に、当時まだ株式店頭公開前だったドン・キホーテに入社。その2年後には取締役第二営業本部長、さらに関連会社の社長に就任するなど若くして頭角を現し、創業者である安田隆夫氏らとともにドン・キホーテの急成長に大きく寄与した人物だ。

その後は、ドンキホーテ社長やドンキHDの社長、買収したユニーの会長などを歴任。また2019年には、優れた経済人に贈られる「経済界大賞」の優秀経営者賞のひとりに選ばれている。

わずか数十坪のショップから始まったドン・キホーテを、売上高1兆円超えの巨大企業にまで育て上げ、今後もさらなる成長が見込めるとされていたが、そのさなかの2019年9月にドンキHDの社長を退任。当初はアメリカ事業に専念するための退任と見られていたが、程なくして関連会社も含めた同グループのすべての役職から離れることが発表されている。

なお報道によると、今回の疑惑に関連して昨年11月と今年の夏頃に金融商品取引法違反(インサイダー取引と情報伝達)容疑で、関係先を強制調査しているとのことだが、昨年9月の大原氏の退任との関連性は明らかになっていない。

人気ユーチューバー・ラファエル氏とは公私に渡る交友

テレビや紙媒体などの各種メディアへの露出も多かった大原氏だが、近年目立っていたのは、人気ユーチューバーのラファエル氏が手掛ける動画への出演だ。

白い仮面姿で知られるラファエル氏は、元自衛官という異色の経歴を経て、現在では実業家や投資家としての顔も持つ人物。チャンネル登録者数200万人を達成した人気のユーチューバーだが、その過激な内容からアカウントを停止された過去も。そんなラファエル氏の動画のバックナンバーには大原氏との数多くのコラボ動画が存在し、なかには大原氏にベンツやドンキ六本木店の権利をねだるといった内容の動画も見られる。

大原氏とは公私ともに交友関係にあったことが知られているラファエル氏。それもあってか、今回の疑惑についても何らかの関りがあるのではという声が、ネット上ではまことしやかに囁かれている。

事の真偽は、今後の捜査の進展を待つしかないところ。とはいえラファエル氏にとっては、後に晴れて無関係であることが判明したとしても、ある種の有名税だとして仕方のないことかもしれないが、甚だ迷惑な話であることは間違いない。

Next: 不自然な人事の裏には、必ず何らかの事情がある

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