移民を送り込んで実効支配
ロシアの領土強奪の方法は別に難しいことでも何でもない。移民を送り込んで実効支配するというものだ。
1. とにかく最初に移民を大量に送り込む
2. 時間をかけて移民を増やす
3. 移民が増えたところで自治や独立を叫ぶ
4. 相手国が拒絶したら「保護」という名目で軍隊を送る
5. 実行支配を完成させる
6. 最後に自国領として併合する
ロシアはこれをジョージアでも、ウクライナでもやっているのである。
つまり、移民はロシアにとっては領土獲得のための手段であり、仕掛けであり、戦略なのである。長期計画で期限は設けない。
領土の強奪には、数十年、場合によっては百数年をかけるかもしれない。時間をかけて熟成すればするほど、この戦略はより強固になるということに気づいて欲しい。
もう北方領土は戻らない
移民がそこに定着すればするほど、移民は帰れなくなる。その移民にとって移民した国は「祖国」になる。しかし、ロシア系移民であるという立場は変わらず帰属は常にロシアにある。
ロシア政府にとってはそれが目的なのである。容易に戻って来ない移民が増えれば増えるほど、実質的にその土地はロシア領になる。「自国民保護」という名目で軍隊を派遣する頃は最後の段階だ。
その前に、実効支配は事実上「完成」しているのである。
これがロシアが歴史的にやっている領土拡張のための手法である。ジョージアという国、あるいはウクライナという国は、この手法でやられた。
翻って北方領土を見て欲しい。
すでに北方領土には70年にも渡ってロシア系移民が暮らしており、もはや北方領土こそが彼らの祖国となっている。仮に日本が戦争で北方領土を奪い返しても、そこには北方領土を故郷としている人が暮らしている。
元は日本人の土地だったかもしれないが、そこはすでに彼らの土地であり、今度は日本が侵略者となる。
「移民を送り込んで実効支配する」という手法の恐ろしさがここにある。そこに同質化するつもりのない民族がその国に入り込むと、そこが小さな侵略拠点となって領土が奪われていくのだ。
そして、定着期間が長くなればなるほど移民は定着してしまって、強制送還することができなくなってしまうのだ。ロシアはこれを国家戦略として意図的に行っている国なのである。
だから、ロシアは恐ろしい国だということだ。