fbpx

コロナ禍のリゾマン詐欺に騙される人々。「テレワークに最適」売り文句、ワーケーション破産でリゾートマンションの腐動産化が社会問題に=姫野秀喜

4. 憧れのリゾマンを購入してもよい人、購入してもよい物件の条件とは

これまで警鐘を鳴らし続けてきましたが、それでも購入したいという人のために、あえて購入する時に注意すべき点を述べたいと思います。

<購入してもよい物件の条件>

購入してもよい物件の条件は、「管理組合が機能しており、修繕積立金が潤沢」かつ、できれば「築10年以内」です。

マンションは管理組合により管理されていますが、これが機能していないと共用部などのメンテナンスが行われていなかったり、管理費や修繕積立金が集められなかったりします。1人で意思決定できる戸建と違い、マンションは共同で運営されているわけですからより良い運営がなされているものを選ぶのが廃墟化のリスクを減らすことにつながります。

また、修繕積立金も同様に定期的な大規模修繕を行うことができる預金額になっているのかをチェックする必要があります。万一、修繕積立金が不足している場合は大規模修繕時に各戸が一時金を負担しなくてはならず、最悪の場合、買った瞬間に大規模修繕の費用負担を迫られることになるでしょう。

また、築10年以内の物件であれば、将来マンションを売却できる可能性が高く、負動産化するリスクを抑えることができます。

マンションの法定耐用年数は47年ですが、築10年以内の物件であれば、購入後10年ほど住んでもまだ耐用年数が30年ほど残っており、次の購入者も30年の住宅ローンが使えるため買いやすく、売りやすいのです。

<リゾマンを買ってもよい人の条件>

次に、激安築古リゾマンをどうしても買いたい!激安だから買いたい!という人向けに、買ってもよい人の条件を述べます。

本来は廃墟化するかもしれないそんなハイリスクなリゾマンを買ってもよい人の条件などないのですが、あえて言うとすれば、それは……「天涯孤独」だということです。

家族もおらず、相続させる相手もいない、そういう条件の人であれば、未来永劫固定資産税を支払い続ける義務を持つ負動産を買ったとしても怖くありません。

ある意味で、開き直りとも言えるのですが、天涯孤独であれば、子孫や親戚筋に負動産を相続させるという迷惑をかけずに済むからです。

もちろん、そういった天涯孤独の人たちばかりが激安リゾマンを購入したら、そのリゾマンの廃墟化は免れないでしょう。彼らが他界した後は管理費・修繕積立金は滞納され、廃墟化し最終的には地方自治体などが公費で解体することになるでしょう。ただでさえ厳しい、地方財政を圧迫することになるかもしれません。

まぁそれが良いかどうかはわかりませんが、家族に囲まれて幸せに暮らした人から徴収した税金が巡り巡って、天涯孤独な人が住んだ廃墟リゾマンの解体費用として使われるのだとしたら、それは富の再分配ならぬ、幸せの再分配として、ある意味ではとても公平で正しい税金の使われ方と言えるのかもしれません。

Next: 安易な手出しは禁物!激安には激安な理由(リスク)がある

1 2 3 4 5
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー