2025年9月10日に発表された、ANYCOLOR株式会社2026年4月期第1四半期決算発表の内容を書き起こしでお伝えします。
2026年4月期 第1四半期決算
田角陸氏(以下、田角):みなさま、本日はお集まりいただき、誠にありがとうございます。ANYCOLOR株式会社代表取締役CEOの田角です。それでは、2026年4月期第1四半期の業績について、CFOの釣井よりご報告します。
釣井慎也氏(以下、釣井):CFOの釣井です。私から、2026年4月期第1四半期の決算ハイライトについてご説明します。
まず、第1四半期の業績についてです。売上高・営業利益・四半期純利益は、いずれも当初見込んでいた見通しを上回る結果となりました。
売上高を領域別にご説明します。まずライブストリーミング領域は13億8,500万円で、おおむね見通しどおりの結果となりました。メンバーシップ中心の収益構造が継続しており、大型企画や3Dライブなどの配信を中心に大きく盛り上がり、YouTube再生も非常に順調でした。
次にコマース領域は103億9,400万円となり、当初見込んでいた見通しを上回る結果で着地しました。主な取り組みとしては3点あります。まず、VTuberユニットの周年施策や季節性の大型施策において、グッズの企画やプロモーションを事前にしっかりと準備し、盛り上がりの最大化を図りました。
また、この四半期にはライブイベントが数多くありましたが、ライブ関連グッズについて、事前・当日・事後の販売を戦略的に実施することで、お客さまにとっての盛り上がりを最大化することができたと考えています。
また、それらを通じて受注した商品が多く積み上がりましたが、発送管理を徹底し、想定外の発送遅延などが生じない体制を構築するよう努めてきました。その結果、売上高は見通しを上回る水準で着地しています。
イベント領域については21億1,700万円となり、当初の見通しを大きく上回る結果となりました。背景として、この四半期に開催したイベントは、主なもののみでも、VTuberユニット関連で3件、「にじさんじ WORLD TOUR 2025」に関連したイベントで3件などがありました。
各イベントにおいて、ネットチケットの販売が想定を大きく上回る結果となったことなどが、見通しを上振れたことに寄与しています。
プロモーション領域については、見通しをやや上回るかたちで着地しました。案件実施数および平均案件単価ともに順調に推移しており、足元ではIPコラボなどの大型施策が増えてきています。
営業利益は70億400万円となり、利益面でも当初見込んでいた水準を大きく上回る着地となりました。
売上高および営業利益推移(四半期)

四半期単位の推移を見ると、売上高・営業利益ともに過去最高を記録しました。
コスト内訳推移(四半期)

コスト構造の詳細です。まず、直接変動費率は44.1パーセントで着地し、前年同期比で0.5ポイントの減少と、おおむね低い水準で推移しました。
計画段階では、イベント比率が大きい四半期であることを考慮し、もう少し高い直接変動費率を見込んでいました。しかし、イベントにおけるコスト改善がうまく奏功した結果、適切にコストコントロールができたと考えています。
コマース領域・プロモーション領域についても、少しづつではありますが直接変動費率は改善傾向にあり、結果として良い水準で着地しました。
その他の原価・販管費については、期初計画どおりの進捗となっています。主な構成項目としては人件費がありますが、採用計画はおおむね計画どおりに進んでいます。
VTuber数およびANYCOLOR IDの推移

VTuber数およびANYCOLOR ID数の推移です。この第1四半期には新規デビューはありませんでしたが、期初計画どおりに進行しており、第2四半期の8月には「にじさんじ」から新規デビューを行いました。
従業員数の推移

従業員数の推移です。基本的には期初に立てた採用計画に基づいて採用を継続しています。足元のトレンドとしては、中途採用による即戦力に加え、社内で育成するための育成枠も設けており、来春に向けた新卒採用にも注力しました。
第1四半期の主要施策(ライブストリーミング・イベント)

第1四半期の主要施策を領域別に見ると、ライブストリーミング領域については、スライド左側上段に示している「にじさんじ甲子園」という施策があります。こちらは毎年夏に恒例で実施している大型施策で、当社に所属する多くのVTuberが参加する配信イベントとなっており、大きな盛り上がりを見せました。
スライド下段に示している「MECHATU-A 1st 3DLive」は、春先に3Dお披露目を行った8人のVTuberによる3Dライブで、YouTubeにおいて非常に大きな盛り上がりを見せた配信となりました。
また、この四半期には非常に多くのイベントを開催しました。スライド上段の3つは、VTuberのユニット単位で行ったイベントです。下段の3つは「にじさんじ WORLD TOUR」の取り組みとして実施し、仙台・名古屋・横浜での各公演を開催しました。
第1四半期の主要施策(コマース・プロモーション)

コマース領域およびプロモーション領域についてです。コマース領域では、「Prism Heart June Bride」という季節性のある大型施策を実施しました。こちらは毎年6月に実施している「ジューンブライド」をテーマとした定番の大型施策で、大きな反響がありました。
それ以外の施策としては、「ChroNoiR(クロノワール) 7th ANNIVERSARY」「Dytica(ディティカ) 2nd Anniversary」「VOLTACTION(ヴォルタクション) 3rd Anniversary」があります。これらはいずれも当社に所属するVTuberユニットの活動周年をお祝いするグッズ施策で、ファンのみなさまから非常に好評でした。
プロモーション領域については、現在IPコラボによる大型施策が増加傾向にあります。「デュエル・マスターズTCG×にじさんじ」はトレーディングカードゲーム、「オンキヨー×にじさんじ」はイヤホン、「ピグパーティ×にじさんじ」はゲームと、それぞれ当社のIPとのコラボ施策を実施しました。
スライド右下に示している「バーチャル アサヒの森×にじさんじ」は、バーチャル万博のPRとして実施した案件です。
継続的な新規デビューとVTAオーディション

足元の新規デビューとVTAオーディションについてです。第1四半期ではありませんが、先月8月の第2四半期に、ガールズバンドをコンセプトとした4名の女性ユニット「今宵、××と夢を見る。」(略称:よいゆめ)がデビューしました。
また、VTAオーディションとして、3種類のオーディションを7月に開催し、特色のある将来のデビュー候補生の発掘に努めています。以上が第1四半期の業績報告です。
2026年4月期 第2四半期業績見通し

第2四半期および通期業績の見通しについてご報告します。まず、第2四半期の業績見通しです。2026年4月期の決算において、この第2四半期は売上高と利益がもっとも小さい四半期となる見込みです。
これは施策実施時期のバランスなどによるもので、引き続き足元、そして下期以降の施策や案件に向けた準備を進めている状況で、第2四半期見通しの具体的な見通しの数字はスライドに掲載のとおりです。
主要な施策は、本日時点で発表しているもののみを記載していますが、これらの施策および今後発表するものなどで、第2四半期もしっかりと進めていく考えです。
2026年4月期 業績予想の修正

最後に、通期の業績予想の修正を発表しました。前回6月に発表した業績予想は、売上高が490億円から510億円、営業利益が190億円から200億円というレンジでしたが、それぞれスライドに記載のとおりに改定しています。
修正の理由についてはスライドに記載のとおりですが、端的に言えば、第1四半期の業績進捗が想定を大幅に上回ったため、その分を業績予想に反映しています。引き続き、第2四半期以降も施策を着実に積み重ね、より高い業績を目指していきます。
現時点では、前回に引き続き、期中を通じた「にじさんじ」全体の盛り上がりや、ここ数年でデビューした新しい世代のVTuberの成長度合い、その他の要因を勘案しながら、一定のレンジで業績予想を開示しています。
ご説明は以上です。
質疑応答:コマース領域の売上高好調要因および特徴について

釣井:「国内コマース領域の売上高好調の要因を、客数・客単価・購買回数に分けて教えてください。また、客数において年代別で伸びている層、および売上上位品目や価格帯もお願いします」というご質問です。
コマース領域の売上高は、国内に限らない数字ですが、四半期ごとの推移をスライドに掲載しています。
前年同期比で約2倍に達しています。こちらを客数・客単価・購買回数に分けての貢献イメージですが、足元での売上の増加は、基本的にお客さまの数の増加に牽引されたものと考えています。また、客単価と購買回数を掛け合わせたお客さま1人当たりの単価も過去1年くらいの推移を振り返ると10パーセント程度の伸びはあるのではないかとみています。

年代別で伸びている層についてです。第1四半期に限った話ではありませんが、コマースのお客さま指標として、当社のANYCOLOR IDの内訳を見てみると、女性のお客さまが多い傾向となっています。スライドに掲載しているのは2025年4月末時点のデータです。
年代別では、19歳以下および20代を合わせた20代以下が75パーセント、30代以上のお客さまが25パーセントという比率です。過去から大きな変化はありませんが、数年前と比較すると30代以上の比率がやや上昇している傾向にあると考えています。

最後に、コマース領域での売上品目における上位についてです。足元では「にじさんじ ぬいストア」を開設するなど、ぬいぐるみ商材の需要が引き続き強い傾向が挙げられます。
質疑応答:VTuber市場全体の成長性について
釣井:「世界のVTuber市場全体の成長性の見方を教えてください。また、競争環境の変化についても知りたいです」というご質問です。
田角:VTuber市場全体の成長性については、国内においては引き続き、VTuberの視聴層や応援してくださる層がともに成長傾向にあると考えています。
一方、海外ではさまざまな状況により、VTuberに対する認知や見方がまだ完全に定着していない部分があるのが現状です。しかし、現在の状態を底打ちとし、私たち自身も含め、VTuber業界全体としてグローバルでのさらなる発展が期待できる状況にあると考えています。
質疑応答:事業におけるAIの利用状況について
釣井:「事業におけるAIの利用状況とその効果、具体的な導入事例、中期的なAI導入余地の見方について教えてください」というご質問です。
田角:事業においてAIを利用している状況は特にはありません。テスト的にAIがどのように利用できるのかという点を含めて一部検証やリサーチを行っていますが、現時点で導入しているわけではない状況です。
私自身もAI技術についてさまざまなことを調査する中で、エンタメ領域において非常に多くの活用可能性がある一方で、レピュテーションリスクや法的リスクも伴うと考えています。したがって、この点に関しては慎重に対応していく必要があると考えています。
質疑応答:海外事業のテコ入れ策および回復・拡大時期について
釣井:「海外事業のテコ入れ策と効果、回復および拡大時期の見方について教えてください」というご質問です。
田角:特に「NIJISANJI EN」の視聴時間やYouTube上のKPIの観点では、『Minecraft』などの「にじさんじ」および「NIJISANJI EN」全体が盛り上がるような大型企画を定期的に行っています。
また、「NIJISANJI EN」だけでなく国内タレントにおいても、ショート動画などの非言語的なコンテンツを活用することで、海外視聴者層への拡大が可能と考えています。したがって、大型企画とショート動画がテコ入れ策として効果的だと判断し、展開を進めていく方針です。
回復時期・拡大時期という観点では、第1四半期もそうですが、昨年の第3四半期・第4四半期から少しずつ業績が回復傾向にあると考えています。昨年度後半を一番の底とし、そこから成長していくことを目指していきます。
質疑応答:業績の再現性について

釣井:「第1四半期業績の計画上振れの背景として言及した、イベントのネットチケットの上振れ、およびイベント関連グッズの貢献については、一過性というよりも、御社のベースのファン数の拡大や入念な施策・準備によるもので、持続性のある業績の立ち方という評価になりますか?」というご質問です。
第1四半期に実施したイベントは主だったものとしてご紹介したものだけでも6件あります。この数の大型イベントを毎四半期続けることは再現性のあることではないと思っており、イベント数が多かったことは事実です。
一方で、各イベントの結果として得られたお客さまの反響を見ると、実施した各イベントのうち1つが想定を大きく上回ったというよりも、各イベントで想定を非常に上回る反響を得られたと受け止めています。
その意味では、イベント内容の作り込みやプロモーションといった点で、一定の再現性のある取り組みができているのではないかと思います。
また、ご指摘のとおり、当社のベースとなるお客さま数については、イベントのネットチケットやグッズの購入者数から見ても拡大していると考えています。イベントが開催される時とされない時があるのは事実ですが、開催時におけるお客さまの反響の最大化については、一定の再現性を持って実行できている部分もあるかと思います。
質疑応答:他社IPとのコラボについて

釣井:「コマース領域について、直近ではサンリオさまとのコラボの反響が良いと認識しています。現状の評価、および今後の他社IPとのコラボを強化できる余地についてどのように捉えていますか?」というご質問です。
直近のサンリオさまとのコラボについては、現在、受注販売というかたちで取り組んでいます。こちらは第2四半期の業績には含まれませんが、非常に反響は良いと思っています。
今後も当社と相性の良い他社IPとのコラボは十分にあり得ると考えています。また、直近で増加しているプロモーション領域でのIPコラボは、まさに他社のサービスとのコラボによるものです。その意味では、当社単独のサービスにとどまらず、他社とのコラボも積極的に行う余地があると考えています。
田角:他社IPとのコラボについては、消費を促すきっかけになりやすいという点で、非常に良い影響があると思います。
質疑応答:下期の施策について
釣井:「下期の施策準備も実行するということですが、御社として期待している材料がありましたら、差し支えない範囲で解説をお願いします」というご質問です。
下期についてお話しできる範囲では、例えば先ほどご質問のあったサンリオさまとのコラボが業績に反映されるのは下期になる予定です。

こちらのスライドは、四半期の業績を長期的に振り返ったものです。当社の四半期業績を見ると、特に一定の傾向がないようにも見えます。しかし、第3四半期・第4四半期は比較的お客さまの需要が強くなる時期だと認識しています。
第3四半期については、クリスマスから年末年始にかけてのシーズンがあり、第4四半期は「にじさんじ」として周年にあたる2月が含まれる四半期となりますが、それらのタイミングで大型施策を実施することが毎年の傾向です。
さらに、すでに発表済みの情報としては「にじさんじ WORLD TOUR 2025」などでの公演で大型のものが第3四半期に開催される予定です。それ以外にも、今後発表予定の施策も含め、しっかりと準備を進めていきます。
質疑応答:イベント領域の収益性改善要因について

釣井:「イベント領域の収益性が改善した要因や取り組みを教えてください」というご質問です。
いくつか要因はありますが、1つは想定以上にお客さまからの反響が大きく、ネットチケットを中心に想定以上の売れ行きとなったことです。イベントは固定比率の高い事業であるため、そこで費用を回収し、売上が伸びることで収益性が改善したという点が挙げられます。
また、スライド上段に「2時だとか 1st ワンマンライブ」というイベントがありますが、こちらでは「本公演」に加え「Re-live公演」も行いました。これはお客さまを会場に招待し、本公演の収録映像を鑑賞して追体験していただく取り組みです。このような取り組みがお客さまに大変好評で、結果として収益性向上に寄与した面もあると思います。
その他にも、イベントを実施するにあたり、コストを精査するという日々の企業活動が収益性改善に貢献したと考えています。
質疑応答:VTuberの一般化について
釣井:「御社から見て、若い世代からもう少し上の世代までVTuberが一般化してきている実感はありますか?」というご質問です。
田角:一般化という点では、「にじさんじ ぬいストア」に家族連れのお客さまが来てくださることも見えており、若い世代から親世代までアプローチできている実感があります。
質疑応答:周央サンゴのイベントによる業績寄与見通しについて
釣井:「周央サンゴさんの志摩スペイン村のイベントが11月からありますが、今期業績への寄与見通しを教えてください」というご質問です。
具体的な寄与度合いをお伝えするのは難しいですが、これまでも取り組みを実施してきた実績があり、今回も非常に大きな盛り上がりを期待しています。
質疑応答:第2四半期以降の期初見通し変更について

釣井:「第2四半期以降は、期初見通しから変更はありますか?」というご質問です。
今回の業績予想の修正は、基本的に第1四半期の上振れ分のみを反映しており、第2四半期以降は現時点で当初の数字から見通しの変更は行っていません。今後の業績の進捗次第で、適時しっかりと見直しを行っていきます。
質疑応答:直近の数四半期の成長要因について
釣井:「直近の数四半期は、四半期計画を上回る強い業績モメンタムが続いているかと思いますが、成長の勢いが増した要因をどのように考えていますか?」というご質問です。
田角:いろいろな観点があるかと思います。「にじさんじ」全体の盛り上がりがベースにありつつ、初期から活動しているVTuberはもちろん、新しい世代のVTuber、ここ数年でデビューしたVTuberの人気が加速している点も非常に大きな影響があるのではないかと思っています。
質疑応答:「にじさんじ WORLD TOUR 2025」の好調について
釣井:「『にじさんじ WORLD TOUR 2025』について、第1四半期はネットチケットが好調であったと考えてよいでしょうか? また、上方修正はこの好調さを織り込んだものでしょうか?」というご質問です。
イベントについては、オフラインでの来場チケットよりも、ネットチケットにおいて想定を上回るかたちでファンからの反響があったことが大きな要因です。また、上方修正の内容については、先ほどお伝えしたとおり、基本的には第1四半期の上振れ分を反映したものとなっています。
質疑応答:「NIJISANJI EN」の課題および成長戦略について

釣井:「グループ別で見ると、『NIJISANJI EN』の売上はやや軟調な印象ですが、『NIJISANJI EN』の課題や今後の成長戦略があれば教えてください」というご質問です。
田角:先ほどお話ししたとおり、YouTubeが確実にお客さまを獲得する接点だと考えています。そのため、まずはYouTubeを通じてお客さまを魅了することが重要です。そこからコマース領域やプロモーション領域につながっていくと考えていますので、まずはYouTube上でのKPIをしっかりと伸ばすことが第一だと考えています。
質疑応答:ANYCOLOR IDの推移について

釣井:「ANYCOLOR IDについて、前期の第3四半期・第4四半期の好調さに対して、今四半期は例年並みの純増数となりました。前期の下期が好調だっただけなのか、他に要因があるのかについて解説をお願いします」というご質問です。
前期およびこの四半期に特段の特殊要因があったわけではないと考えています。傾向としては、先ほど田角がお伝えしたように、ここ数年でデビューした新しい世代のVTuberが活躍したり、そのグッズの販売があった四半期には、新規のお客さまの流入が比較的多い傾向にあるのではないかと思います。
質疑応答:個人VTuberの獲得および他社VTuberグループのM&A戦略について
釣井:「個人VTuberの獲得や他社VTuberグループのM&Aなどの成長戦略はありますか?」というご質問です。
田角:M&Aの基本的な戦略としては、IPを保有している企業、またはIPを成長させられる企業が対象になると考えています。その一部として、VTuberグループも検討の候補の1つになると考えています。
質疑応答:「にじさんじ WORLD TOUR 2025」による首都圏以外でのファン拡大について
釣井:「『にじさんじ WORLD TOUR 2025』により、首都圏以外のファンの拡大に寄与しているかについて見解を教えてください」というご質問です。
田角:推測ではありますが、地元の方々の目につく場面や話題となる場面はあるのではないかと思っています。
質疑応答:大型フェスイベントの開催時期と業績影響について
釣井:「今期は大型のフェスイベントがないかと思いますが、そのことが業績に与える影響をどのように考えればいいでしょうか?」というご質問です。
先日発表しているとおり、来年5月にフェスイベントを開催する予定です。このイベントは、2026年4月期の業績には基本的には含まれないことになりますが、この内容はもともと開示している業績予想やその他の会社計画に織り込み済みであるため、これによって現在発表しているものに齟齬が生じることはないと考えています。
次回の大型フェスイベントは5月に開催されますが、前回は2月、その前は12月と、毎年同じ月に実施するものではありません。
今期については、「にじさんじ WORLD TOUR 2025」を中心に数多くのイベントを開催しており、それらとのバランスを考慮したタイミングでの実施を決定しています。
質疑応答:M&A戦略と中長期的な成長戦略について
釣井:「M&A戦略の考え方や対象となる領域、中長期的な成長戦略について教えてください。新規事業の可能性もしくは既存事業の深掘りに注力していきますか?」というご質問です。
田角:M&A戦略については、先ほどお話ししたとおりです。IPを保有する会社や、IPを成長させられる会社が対象になると考えています。
中長期的な成長戦略の方針は、まずは現状の事業をしっかり成長させていきます。その中で、新しいマーケットや新しいお客さまを魅了する事業を作っていく必要があり、そのような課題も生じると考えています。
その意味では、VTuberに関連する領域の展開に注力し、それを成長させていく方向になると思っています。
質疑応答:男性顧客の獲得について
釣井:「今後、男性顧客の獲得に注力しますか?」というご質問です。
田角:YouTube上の指標としては、男性の視聴者も多く存在しています。ただし、女性の視聴者と比べると、男性の視聴者はANYCOLOR IDおよびコマースの領域にあまり多くつながっていないのではないかと考えています。
そのため、グッズなどのコマース領域での企画の工夫に加えて、プロモーション領域でも商材によっては男性顧客向けの販売をより促進できる部分があると考えています。
さらなる男性顧客の獲得に向けて工夫できる部分はあるのではないかと思っています。
質疑応答:VTuber市場における参入障壁について
釣井:「VTuber市場への新規参入者の大半が苦戦している背景を教えてください。我々がわからない、見えない参入障壁があるのでしょうか? また、御社の競争優位性を教えてください」というご質問です。
田角:まさにブランド力という点に参入障壁があると考えています。「にじさんじ」全体の盛り上がりといった部分も、それに該当するかと思います。
魅力的なタレントが集まりやすい環境が当社にはあると考えています。これにより「にじさんじ」全体の盛り上がりを作りやすくなり、それが次世代の魅力的なタレントを引きつける軸となるサイクルが生まれています。これが、当社の参入障壁の一部であると考えています。
また、イベント事業やコマース・プロモーション領域のほか、デザインやスタジオの観点など、多方面でVTuberが自身の活動方向や目標に集中できるようなサポート体制を整えており、こちらも参入障壁となっていると考えています。
質疑応答:英語を活用するVTuberの育成・獲得について
釣井:「海外戦略において、視聴時間の拡大に向けたショート動画などを積極的に配信していくとのことですが、英語をはじめとした多言語を操るVTuberの育成や獲得についての取り組みはありますか?」というご質問です。
田角:足元の具体的なお話をお伝えすることはなかなか難しいですが、やはり英語を活用できるVTuberのデビューについては、日本においてもそうですが、「NIJISANJI EN」や海外圏の視聴者層を広げていく観点で非常に重要な戦略の1つと考えています。したがって、英語を言語として話すVTuberの育成や獲得を推し進めたいと考えているところです。
