2026年2月17日に発表された、株式会社四電工「中期経営指針2030」説明会の内容を書き起こしでお伝えします。
「中期経営指針2030」説明会
関谷幸男氏:みなさま、こんにちは。株式会社四電工社長の関谷です。平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
本日は、このほど策定した「中期経営指針2030」について、ご説明します。今回の「中期経営指針2030」は、2026年度から2030年度までの5ヶ年を対象期間として、当社グループの成長戦略等をお示しするものです。
アジェンダ
資料の構成は、ご覧のとおりです。
はじめに、あらためて当社の「経営理念、主たる事業領域」について簡単にご説明します。
Ⅰ-1. 経営理念

当社の経営理念では、パーパスとして「進化する総合設備企業として人と社会と未来をつなぎます」を掲げています。
その主旨は、「総合設備企業」としての企業活動を通じて、設備を空間軸で「つなぐ」ことで設備に命を吹き込み、こうしてつながった設備は人と人をつなぎ、社会機能をつなぎ、その結果として社会の営みが未来へとつながっていくというものです。
Ⅰ-2. 主たる事業領域

当社では、こうした理念に沿って、建築設備工事業と送配電設備工事業を2つの柱として事業を展開しています。
建築設備工事は、さまざまな建築物の屋内電気配線や給排水設備を設計・施工する事業、一方で送配電設備工事業は、電力会社の送電設備と配電設備を設計・施工・保守する事業です。同じ設備工事業ではありますが、事業環境や事業内容、必要なスキルなどはかなり異なります。
さらに、こうした事業で培った技術や信用力をもとに、再エネ、リース、CAD開発、PPPなどの付帯・関連事業にも取り組んでいます。
なお、より詳しい内容については、「四電工 統合報告書2025」に記載していますので、あわせてご覧いただければ幸いです。
Ⅱ-1. 『中期経営指針2025』の振り返り(連結数値目標)

次に、現中計である、「中期経営指針2025」の成果等について振り返ってみたいと思います。
まず業績面では、2025年度に売上高1,000億円、営業利益60億円、ROE8パーセントを達成するという連結数値目標を掲げてスタートしましたが、2024年度において、売上高1,058億円、営業利益80億円、ROE8.2パーセントと、すべての数値目標を1年前倒しで達成することができました。
最終年度の2025年度についても、数値目標は概ね達成できるものとみています。
これは、外部環境の追い風もありましたが、受注採算性の向上や徹底した原価管理に取り組んできた成果だと考えています。
Ⅱ-2. 『中期経営指針2025』の振り返り(株価や資本収益性)

次に、株価や資本収益性の推移について振り返ってみたいと思います。
資本収益性の向上に関しては、左のグラフにあるように2023年8月に公表した基本方針に基づき、利益の拡大に努めるとともに、株主還元の充実等に取り組んできた結果、ROEは着実に向上しています。
その結果、右のグラフにあるように、株価、PBRともに2023年度以降、大幅に上昇しています。
なお、2026年2月に株価は過去最高を更新し、1,900円台、PBRも1.3倍を超える水準となっています。
以上が現中計の振り返りです。こうした現状をしっかり踏まえた上で、次のステージに進んでいきます。
Ⅲ-1. 『中期経営指針2030』の重点テーマ

それでは、ここからは本題の「中期経営指針2030」についてご説明します。
まず、「中期経営指針2030」の重点テーマです。
近年、わが国では、東京一極集中や物価・人件費の上昇、少子高齢化など、多岐にわたる構造変化が同時並行的に進行しており、我々の業界においても中長期的にさまざまな影響を受けるものとみています。
こうした状況を踏まえ、当社としては、本中計の重点テーマとして、「成長の持続に向けた中長期的な施工力の確保」「大都市圏での施工力拡大」「電力需要の増加に伴う送配電設備の増強への対応」「資機材価格・外注費の上昇、調達困難化等のリスク軽減」「設備工事を通じた脱炭素社会実現への貢献」「DX・AIの活用による付加価値創出・生産性向上」「ESG経営の実践」を掲げ、これに沿って事業展開を図ることとしました。
Ⅲ-2. 連結数値目標

次に、新中計の連結数値目標についてご説明します。
まず、業績目標ですが、売上高については、2025年度予想に対して200億円増の1,200億円、営業利益については、2025年度予想に対して30億円増の110億円としています。
新中計において当社は、首都圏・関西圏を中心とした建築設備工事の収益力強化を基本に据えながら、送配電設備工事においては、更新需要を着実に取り込むことで、収益拡大を目指す方針としています。
こうした方針を踏まえ、事業別・エリア別の売上目標をご覧のようなかたちで設定しています。
また、ROEについては、業績伸長に加えて、スライド下段に記載している株主還元の拡充を通じて、10パーセントを目標に設定しています。
なお、株主還元方針については、後ほどあらためて詳しくご説明します。
Ⅲ-3. 『中期経営指針2030』における事業拡大のイメージおよび戦略課題

それでは次に、前ページでご説明した数値目標を、どのように達成していくのかについてご説明します。
基本的な考え方としては、人的資本強化への持続的な取り組みを基本に据え、四国エリアで安定的な収益を確保しつつ、首都圏・関西圏での建築設備工事の収益基盤を大幅に拡充することで、事業の成長と企業価値の向上を目指すというものです。
その際に重視すべきは、人的資本をいかに拡充し、それを施工収益力の強化にいかにつなげるか、だと考えます。
そのテーマを事業別・エリア別にどのように展開していくか、その戦略課題の要点をグラフの右に記載しています。
詳細なご説明は省略しますが、近年、首都圏・関西圏を中心に建設需要が非常に旺盛であり、この成長機会を着実に捉えるべく、受注拡大に向けた施工力の拡充や空調・管工事分野の強化などに取り組んでいきます。
一方で、当社の基盤である四国においては、建築設備工事における施工収益性を高めると同時に、送配電設備工事においては、今後の増加が見込まれる更新需要に的確に対応していきます。
Ⅳ-1. キャッシュ・アロケーション方針

次に、キャッシュ・アロケーション方針についてご説明します。
まず、キャッシュ・アロケーションの基本的な考え方として、当社は、人的資本投資を中心に、事業投資としてM&A投資、ESG・DX投資など持続的な成長に向けた投資を実践していきます。
その上で、財務の健全性に配慮しながら、資本収益性を向上させる観点を踏まえ、株主のみなさまへ適切に利益を還元していきます。
中期経営指針の対象となる5年間で創出するキャッシュフローは550億円程度を見込んでおり、それをご覧のようなレベル感で配分していきたいと考えます。
人的資本投資として織り込んだ200億円については、計画的な採用や育成環境の整備等を通じて施工力と生産性の底上げを図りながら、利益成長の一部を昇給や業績連動賞与といったかたちで還元し、従業員エンゲージメントの向上につなげていきます。
次に、事業投資に関しては、M&Aや脱炭素関連投資、DXなどに合計150億円程度を配分していきます。
株主還元については、200億円程度を想定していますが、詳細は後ほどご説明します。
なお、キャッシュアロケーションをお示ししていますが、人的資本投資をはじめ、会計上は費用項目となるものも多いことから、会計上の利益やキャッシュフローとは整合していません。
こちらはあくまでも事業活動に伴うキャッシュの配分の優先順位を示すものとご理解願います。
Ⅳ-2. ⼈的資本投資(収益拡大シナリオ)

このページでは、先ほどの人的資本投資をどのように収益拡大につなげていくか、フロー図でお示ししています。
言うなれば、当社の成長の源泉である技術者を、いかに確保・育成し、その能力をいかに有効に施工収益力の強化につなげるかについて、事業ごとに展開したものです。
詳細は後ほどご覧いただければと存じます。
Ⅳ-3. ⼈的資本投資(⼈材マネジメントサイクル)

このページは、人的資本経営を支える「採用」「育成」「成果還元・再投資」という人材マネジメントサイクルについて図示したものです。
図の左上の採用方針に関しては、新卒を中心に年間100人程度の採用を前提に、女性、中途採用、外国人技術者など、人材の多様性を併せて追求します。
次に、右上の育成に関しては、計画的な育成配置、OJTを有効に組み合わせ、技術力の底上げを図ります。2028年春には新研修所の開所を予定していますが、これも育成環境整備の一環です。
そして、成果の還元・再投資を通じてエンゲージメント向上を図り、さらには業績や株価への感応度を高めるための施策についても検討していきます。
Ⅳ-4. ⼈的資本投資(指標と目標)

こちらは人的資本投資の指標と目標です。
人的資本投資は短期で成果が出るものではないため、KPIを設定し、中長期で進捗を管理することが重要だと考えています。
人的資本の現状を「見える化」し、的確に対処していくことで、中長期的な収益成長と企業価値向上につなげていくのが狙いです。
Ⅳ-5. 事業投資等

それでは次に、事業投資等についてご説明します。
「中期経営指針2030」でも、引き続きM&Aには積極的に取り組んでいきます。また、脱炭素分野では、設備工事の強みを活かせる領域で、新たな収益基盤の拡充を図ります。
さらに、労働集約型の建設業において極めて大きい少子高齢化の影響を緩和するため、AIの活用を含めたDX化の可能性についてあらゆる面から追求していきたいと考えています。
Ⅳ-6. 株主還元方針

最後にあらためて、株主還元方針についてご説明します。
新しい株主還元方針では、利益に対する還元指標である連結配当性向「60パーセント程度」に加え、純資産に対する配当率を示す指標であるDOEに関する目標を新たに設定し、これを「5.0パーセント程度」としました。このいずれの指標も満たすレベルでの配当を実施していきたいと考えています。
また、現中計に掲げている「一時的に減益となっても減配しない方針」については、今回採用するDOE指標において、継承しているものとご理解ください。
利益成長の成果を株主のみなさまに適切に還元するとともに、純資産の積み増しを抑制することで、中長期的に資本効率の向上や資本構成の適正化につなげていく考えです。
本資料に関する注意事項

以上、「中期経営指針2030」の概要をご説明しました。
最後までご覧いただき、誠にありがとうございました。この方針のもと、四電工グループ一丸となって、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでいきます。
今後とも四電工グループをご愛顧くださいますよう、よろしくお願いします。
