■成長戦略・トピック
1. 第3次中期経営計画の数値計画を収益重視に修正
ムゲンエステート<3299>では、2027年12月期を最終年度とする3か年の中期経営計画が進行している。2027年の同社のあるべき姿として「組織力の強化を起点に、事業領域の拡大と新規事業の創出」と定め、事業戦略の2軸である「事業領域の拡大」「新たな価値創造」に取り組んでいる。中期経営計画の位置付け・戦略に変更は行わないものの、2025年12月期の実績も踏まえ、より実現可能性の高い計画へ見直しを行った。2026年12月期は、収益性を重視し、当初計画に対し、売上高は減額するも各利益は若干上回る計画とした。最終年度の2027年12月期は、金利環境等の先行き不透明感を考慮し、売上高、各利益ともに減額修正し、より実現可能性の高い計画とした。ただし、2027年12月期の売上高予想94,770百万円(2025年12月期実績の1.39倍)、営業利益予想で13,843百万円(同1.25倍)とやや厳しくなる環境の中でも事業の成長性は維持する計画である。
主力の不動産売買事業では、不動産買取再販事業(投資用)を成長ドライバーに、収益性重視の計画へ見直した。2027年12月期の不動産買取再販事業(投資用)売上高修正計画は当初計画とほぼ変わらなかったが、それ以外の事業では減額幅が大きかった。売上総利益の修正計画では、不動産買取再販事業(投資用)のみが増額となり収益力の高さが際立つ計画となった。不動産買取再販事業(投資用)は、売却前の保有期間中も収益を獲得できるため、リスク管理上も有利である。
2. 仕入計画の修正
中期経営計画の基盤となるのが仕入である。当初計画では、不動産売買事業の合計の仕入額は、2025年12月期から2027年12月期までの3年間で2,157億円、2026年12月期単独では730億円、2027年12月期単独では777億円とした。今回の業績計画の修正に伴い、2025年12月期の仕入れ実績(計画650億円に対して実績548億円)及び収益性の観点から仕入計画も見直した。2026年12月期は638億円、2027年12月期の707億円と総額では減額となった。事業別の内訳では、投資用の仕入計画を微減にとどめたのに対し、そのほかの事業は減額修正幅が大きくなった。特に、物件価格が高騰し高い収益性が見込みづらい居住用と税制改正の影響が不透明な不動産特定共同事業は慎重な計画に変更された。
3. 重点施策の進捗状況:不動産買取再販事業の重点施策が順調に進む
中期経営計画では、コア事業である不動産買取再販事業において、「営業エリアの拡大」「営業生産性の向上」「営業チャネルの拡充」「アセットタイプの拡充」の重点施策に取り組んでいる。「営業エリアの拡大」に関しては、全国の営業拠点の配置が完了し、地方エリアの仕入れおよび販売実績の伸びが著しい。2025年12月期の地方エリアの販売構成比は、件数ベースで13.1%(前期は6.8%)、金額ベースで9.0%(前期は5.3%)と右肩上がりである。「営業生産性の向上」については、新しい営業システムの導入、収益性を重視した営業活動、人材教育などを進めている。「営業チャネルの拡充」については、国内及び台湾など海外においても不動産セミナーを定期的に開催し、販売ルートおよび業者ネットワークの開拓に寄与してきた。「アセットタイプの拡充」においては、物流施設(首都圏で実績)、ホテル(那覇市、札幌市で実績)、商業施設(京都市で実績)、ヘルスケア施設(首都圏で実績)など順調に拡充および大型化を進めている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)
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