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緊急避妊薬が処方箋なしで買える時代へ、「アフターピル」市場拡大で恩恵を受ける製薬銘柄

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富士製薬工業(4554)、エフメノカプセルとアリッサ配合錠を軸に女性医療売上の急拡大が続く。アリッサ配合錠は前年同期比260%増、2029年に100億円規模を見込む。バイオシミラーも中期150億円目標で政策追い風。累進配当・配当性向30%以上を掲げる。国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。銘柄の選び方を学べます。

【基本情報】株価:2,285円(2026年3月10日終値)/配当利回り:2.06%

国内の注目銘柄を紹介する連載「ログミーFinanceの#銘柄発掘」。ビジネスモデルやファンダメンタルズの分析を通じて、中長期で保有できる優良銘柄の見極め方が身につく実践的シリーズです。今回は、富士製薬工業を取り上げます。

経口避妊薬シェア44%、緊急避妊薬の市販化解禁で女性医療ラインをさらに拡充

富士製薬工業(4554)は、女性医療を中核に据える製薬会社です。更年期障害、月経困難症、避妊、不妊など、女性のライフステージに沿った医薬品を自社販売で広げるのが主力で、あわせてバイオシミラー(バイオ医薬品の後発品)とCMO(医薬品製造受託)も手がけます。2025年9月期の領域別売上高は、女性医療が223.7億円で構成比43.3パーセント、その他が189.9億円で36.7パーセント、CMOが83.4億円で16.1パーセント、バイオシミラーが19.7億円で3.8パーセントでした。

同社の強みは、女性医療での製品の厚さです。2023年のデータによると、経口避妊剤の国内シェアは44パーセント、経腟黄体ホルモン製剤の国内シェアは47パーセントを獲得しています。産婦人科で使う薬を広くそろえ、長く販売してきた実績が、医療現場との接点や処方の広がりにつながっています。

さらに、直近では女性医療の新たな追い風も生まれています。同社は2026年3月9日、緊急避妊薬(アフターピル)のジェネリック医薬品「レソエル72」の販売を開始しました。先発品「ノルレボ」の後発薬にあたり、処方箋なしで薬局・ドラッグストアで購入できる市販薬として解禁されたものです。緊急避妊薬の市販化は社会的な認知度も高く、女性医療の製品ラインをさらに厚くするとともに、新たな販売チャネルの開拓につながる可能性があります。

注意点

「アリッサ配合錠」が牽引役、2029年に女性医療売上380億円を目指す

中長期的な成長ドライバーは、新製品の月経困難症治療薬「アリッサ配合錠」を軸にした女性医療の収益力強化です。中期経営計画では、女性医療売上高を2024年9月期の203億円から2029年9月期に380億円へ伸ばす目標を掲げており、その牽引役としてアリッサ配合錠が100億円規模に育つと想定しています。背景には月経困難症市場の拡大があります。月経困難症治療薬であるLEPの使用量は2019年から2023年の5年間で約2倍となり、2023年の使用シート数は1,000万シートを超えました。市場が拡大するなかで、同社は2029年に向けた成長余地を見込んでいます。

バイオシミラーは中期で150億円目標、政策の追い風も

バイオシミラーは、2025年9月期売上では19.7億円、構成比3.8パーセントとまだ小さいものの、政策面の追い風もあり、補助的な成長ドライバーとして期待できそうです。同社は2026年9月期のバイオシミラー売上予想を期初37.2億円から44.8億円へ引き上げ、中期経営計画では2029年9月期に150億円まで伸ばすとしています。厚生労働省は、2029年度末までに、バイオシミラーが80パーセント以上使われている有効成分の種類数、つまり置き換えが大きく進んだ薬の成分の数を、全体の60パーセント以上にする目標を掲げています。2024年度ではこの比率は22.2パーセントにとどまっており、普及の余地はなお大きいといえます。

高粗利製品の伸長で収益改善、累進配当で利回り約2%

収益面では、2025年9月期の営業増益要因として、新製品の販売拡大と製品ミックスによる粗利益率の改善が挙がりました。さらに2026年9月期第1四半期は、女性医療とバイオシミラーの主要製品売上高が期初予想に対して好調に進捗し、高粗利製品の伸長による製品ミックスが大きく貢献しています。実際、アリッサ配合錠の売上高は7.71億円で前年同期比260.0パーセント、エフメノカプセルは17.20億円で同91.3パーセント増となっており、先発品や新製品の比率上昇が収益性の改善につながっていることがうかがえます。

株主還元では、累進配当と配当性向30パーセント以上を掲げています。2026年9月期の1株配当予想は47円で、2026年3月6日終値2,346円を前提にした予想配当利回りは約2.00パーセントです。女性医療で築いた高シェアの土台の上に、アリッサ配合錠で採算を高め、バイオシミラーを次の事業の柱に育てられるかが、中長期での見どころになりそうです。

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富士製薬工業 が登壇する3月15日(日)開催セミナー

タイムテーブル
・11:00〜11:05
 オープニング
・11:05〜11:55
 ①明和産業(8103)
・12:00〜12:50
 ②kubell(4448)
・12:55〜13:45
 ③Hmcomm(265A)
・13:55〜14:45
 ④日東精工(5957)
・14:55〜15:45
 ⑤ラクーンHD(3031)
・15:50〜16:40
 ⑥富士製薬工業(4554)

▼詳細・視聴予約はこちら【IRセミナー特設ページ】

2026年3月15日(日)開催。富士製薬工業含む6社が登壇するオンラインIRセミナー

※当日は投資家向けに注目テーマの解説や質疑応答などを予定しています。

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これから開催予定のセミナー

執筆者プロフィール


執筆:西田哲郎
ライター・コンテンツディレクター。投資歴15年。大きな損失を出したことをきっかけにイナゴを卒業、ビジネスモデルとファンダメンタルズ重視の手法に切り替える。業界紙やスタートアップを経てフリーで投資情報メディアやM&A情報サイトの立ち上げに関わり、現在は主に週刊誌で投資や経済関連の記事を執筆。


※記事内容、企業情報は2026年3月8日時点の情報です。
※当記事内容に関連して投資等に関する決定を行う場合は、ご自身の判断で行うものとし、当該判断について当社は一切の責任を負わないものとします。なお、文中に特定の銘柄の投資を推奨するように読み取れる内容がある可能性がございますが、当社および執筆者が投資を推奨するものではありません。

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