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マテリアルグループ、売上高・営業利益ともに前年比二桁成長 M&A効果で通期予想に堅調進捗

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2026年4月22日に発表された、2026年8月期第2四半期決算説明(個人投資家向けIRセミナー)の内容を書き起こしでお伝えします。

2026年8月期第2四半期決算 キーメッセージ

青﨑曹氏(以下、青﨑):マテリアルグループ株式会社代表取締役CEOの青﨑です。本日は当社の決算説明会にご参加いただき、ありがとうございます。それでは、2026年8月期第2四半期決算についてご説明します。

第2四半期決算のキーメッセージは3つです。1つ目は、前年同期比で連結粗利がプラス42.6パーセント、営業利益もプラス82.1パーセントと高い成長率を実現しました。上期の計画比では粗利・営業利益ともに超過していますが、通期業績予想は維持としています。

2つ目は、下期においてAI関連への積極的な投資を予定しています。これに加え、生産性向上を背景に人員へのインセンティブの支給も見込んでいます。

3つ目は、株式会社トレプロのM&Aにより、PRプラットフォーム事業の粗利は前年同期比でプラス365.1パーセントと急成長を実現しました。一方で供給制約があるため、同事業の下期における粗利成長は鈍化を見込んでいます。ただし、営業利益ベースでは通期計画に対して堅調に進捗しています。

AGENDA

青﨑:本日のアジェンダです。まず、2026年8月期第2四半期の業績についてご説明します。その後、セグメント別の状況をご案内します。最後にトピックスをご紹介します。

連結業績:2026年8月期第2四半期の前年同期比及び業績予想に対する進捗率

青﨑:2026年8月期第2四半期の業績についてご説明します。まず、連結業績です。M&Aの影響もあり、前年同期比で高い成長率を実現しました。また、通期予想に対しても堅調に進捗しています。

売上高と粗利については、PRコンサルティング事業の堅調な成長に加え、M&Aの影響を受けてデジタルマーケティング事業およびPRプラットフォーム事業ともに規模を拡大することができました。粗利は前年同期比でプラス42.6パーセントと、大幅な成長を遂げています。

また、現時点で上期予想を超過していますが、通期予想については維持としています。下期偏重の業績予想達成に向けて、引き続き顧客獲得に注力しているところです。

営業利益については、M&Aの影響と生産性の向上により、前年同期比プラス82.1パーセントと大幅な成長を実現しました。営業利益も上期予想を超過していますが、通期予想は維持としています。

下期ではAI Agentの活用など、AIを前提とした業務構築に向けた積極的なAI関連投資を進めていきます。また、超過達成に応じて人員に対するインセンティブの支給もしっかりと行っていく考えです。

連結業績:業績予想に対する進捗状況(粗利)

青﨑:粗利の業績予想に対する進捗についてです。すべてのセグメントが堅調に推移しています。進捗率については、上期計画は46.9パーセントでしたが、累計進捗率の実績は47.6パーセントとやや上回っています。

連結業績:2026年8月期第2四半期のセグメント別の前年同期比及び業績予想に対する進捗率

青﨑:セグメント別の前年同期比および業績予想に対する進捗率についてです。M&Aの影響もあり、デジタルマーケティング事業およびPRプラットフォーム事業の粗利とのれん償却前営業利益は、前年同期比で規模が拡大しています。

セグメント別にご説明します。PRコンサルティング事業は、粗利が前年同期比プラス18パーセントと、力強く着実に成長しています。のれん償却前営業利益についても、生産性の改善などの影響により、大きく成長しました。通期予想に対して計画どおりに進捗しています。

デジタルマーケティング事業は、株式会社Bridgeの参画による影響が大きく、規模が拡大しました。デジタル広告運用のお客さまの数が増加しており、粗利は前年同期比プラス82.1パーセントの成長を記録しました。のれん償却前営業利益は、トップラインの伸びに伴い、プラス58.4パーセントの成長となっています。

PRプラットフォーム事業は、トレプロ社の参画により規模が拡大し、粗利およびのれん償却前営業利益のいずれも大幅に成長しています。現在、多くの引き合いをいただいていますが、供給制約が発生しています。人員の拡充を急いでいますが、下期の粗利成長ペースはやや鈍化する見込みです。

一方、高いパフォーマンスを維持しており、営業利益ベースでは通期計画に対して堅調に進捗しています。

連結業績:売上・ 粗利・営業利益の四半期会計期間別推移

青﨑:四半期会計期間別の推移です。PRコンサルティング事業の堅調なオーガニック成長に加え、トレプロ社およびBridge社の参画により規模が拡大しています。売上は前年同期比プラス60.5パーセント、粗利は前年同期比プラス49.1パーセント、営業利益は前年同期比プラス146.1パーセントと、非常に大きく成長することができました。

ここまで、連結業績についてご報告しました。続いて、セグメント別の状況について、取締役CFOの吉田よりご案内します。

PRコンサルティング事業:売上・ 粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田和樹氏(以下、吉田):取締役CFOの吉田です。セグメント別にご紹介します。まず、PRコンサルティング事業です。中核子会社であるマテリアルが20パーセントを超える成長を見せており、着実に成長しています。

売上・粗利・のれん償却前営業利益について、スライド上段に累計期間推移、下段に四半期単位の会計期間推移を示しています。

売上は上期累計で前年同期比プラス21.3パーセントと大きく伸びており、粗利も前年同期比プラス18パーセントと着実に成長しています。特に中核子会社のマテリアルは、前年同期比22.1パーセントの成長を遂げています。

前年度は第1四半期と第2四半期のバランスが従来と異なり、第1四半期の業績が好調だった影響で、第2四半期が減少する結果となりました。

一方で、今期の上期は、第1四半期は同様に好調であったものの、その反動で第2四半期が減少することはなく、第2四半期も着実に成長を遂げています。結果として、粗利は前年同期比プラス18パーセントの成長となり、しっかりとした伸びを示しています。

なお、マテリアルとセグメント全体の差分については、昨年に関西・大阪万博等の案件を大きく受注していた子会社があり、その反動が若干見られました。しかし、総じて計画どおり着実に成長していると言えます。

のれん償却前営業利益は、前年同期比プラス36.1パーセントの成長となりました。粗利の成長以上に伸びていますが、後ほどご紹介する1人あたりの粗利もしっかりと伸びており、利益率はかなり良好な状態になってきています。

PRコンサルティング事業(株式会社マテリアル):成長ドライバーの実績

吉田:成長ドライバーの実績についてご説明します。スライドに、PRパーソン数とPRパーソン1人あたりの粗利を示しています。まず、PRパーソン数は期中平均で166人から198人へと増加しました。

期中も中途採用を継続していますが、新卒が入社するタイミングで大きく規模が拡大し、その後、徐々に自然減となるか、中途採用を強化した年には少しずつ増加します。今期に関しては、前期に中途採用が順調に進捗したことを踏まえ、期中の中途採用計画はやや控えめに設定しています。

その結果、昨年度第4四半期から第1四半期、第2四半期にかけて徐々に人数が減少していますが、これはある意味計画どおりといいますか、自然な流れといえます。

今年の新卒採用者は、グループ全体で48人です。そのうちPRパーソン数に加わるのは42人から46人程度を見込んでいますので、第3四半期はPRパーソン数がしっかりと伸びていきます。

このように、PRパーソン数が前年同期と比較して増加している中で、PRパーソン1人あたりの粗利は前年同期比で2.6パーセント増加しています。計画以上に着実に伸びており、ポジティブに捉えています。

背景としては、ありがたいことに第2四半期は非常に忙しく、多くの仕事がありました。さらに、AI関連の取り組みの成果が足元で徐々に現れ始めていることも要因として考えられます。

デジタルマーケティング事業:売上・ 粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田:デジタルマーケティング事業です。Bridge社が参画した影響で、トップライン・利益の規模がいずれも前年同期比で大きく拡大しました。売上は前年同期比プラス110.7パーセント、粗利は前年同期比プラス82.1パーセント、のれん償却前営業利益は前年同期比プラス58.4パーセントと大きく伸びています。

粗利に関しては、第1四半期から第2四半期にかけて若干微減となりました。これは主に、第1四半期にスポット的な案件が含まれていたためです。下期の見通しについては、足元の感覚値ベースではそれほど悲観する状況ではないと考えています。下期の業績達成に向けて、現在は顧客獲得に注力している状況です。

のれん償却前営業利益は、第1四半期に過去最高の四半期利益を達成しました。第2四半期もそれに類する程度の利益がしっかりと計上できており、ポジティブに捉えています。

デジタルマーケティング事業:成長ドライバーの実績

吉田:成長ドライバーの実績として、顧客数と顧客単価を示しています。顧客数は前年同期比プラス9.2パーセント、顧客単価は前年同期比プラス67.3パーセントです。Bridge社が参画した影響で広告運用のお客さまが大きく増加したことにより、顧客単価も大幅に向上しました。

また、顧客単価は第1四半期から第2四半期にかけて伸びています。Bridge社の広告運用の大口顧客がしっかり維持できていることに加え、比較的単価の低い「Flipdesk(フリップデスク)」のお客さまの数が微減したことが影響しています。

PRプラットフォーム事業:売上・ 粗利・のれん償却前営業利益の会計期間別推移

吉田:PRプラットフォーム事業です。トレプロ社が参画した影響で、トップライン・利益ともに前年同期比で大幅に拡大しています。

前年同期比で見た時の差分については、トレプロ社の参画が要因となります。売上は前年同期比プラス341パーセント、粗利は前年同期比プラス365.1パーセント、のれん償却前営業利益は前年同期比プラス495.8パーセントとなり、約6倍の成長を遂げています。

トレプロ社については、冒頭のメッセージでお伝えしたとおり、下期に若干の成長の鈍化を見込んでいます。補足すると、上期はM&Aによる参画のタイミングで見込んでいた計画を大きく上回る進捗を見せ、その分リソースをかなり消費しました。

下期は、お客さまの数を増やすだけでなく、供給体制を強化し、サービスの品質を維持・向上させることに注力する方針です。

トレプロ社はグループの中でもAI活用が進んでおり、営業利益率の観点ではもともとグループの他事業に比べて高い水準を誇っています。さらにAI活用による利益率向上が見込まれることから、通期計画に対し営業利益ベースでは順調に進捗していると考えています。

当社取締役等による当社株式取得

青﨑:トピックスをご紹介します。まず、コーポレートアクションとして、当社取締役による当社株式の取得についてご案内します。

もともとは、2019年に創業オーナーのエグジットにより、株式会社アドバンテッジパートナーズが当社株式をほぼ100パーセント保有していました。2024年にIPOを実現し、引き続きAPファンドが株主となっていますが、その保有株の一部を当社取締役が買い戻し、引き受けたかたちです。

この取引は、当社の今後の業績拡大に向けて、取締役である私、青﨑と吉田を中心に、より強いコミットメントを示すとともに、中長期的な企業価値向上に向けた経営努力を促すことを目的としています。

私も吉田も創業者ではありませんが、当社グループの成長に自信を持っており、それを対外的にも示すため、このような取り組みを行いました。

Award関連

青﨑:こちらは非常にうれしいトピックのご報告です。当社マテリアルグループが、イギリスのメディア「Financial Times」の「アジア太平洋地域における急成長企業ランキング2026」において、日本のPR会社として唯一選出されました。

「Financial Times」と統計・市場データプラットフォームの「Statista」が共同で実施している調査において、アジア太平洋地域の14ヶ国から企業が選ばれる中で、我々が選出されたということです。

引き続き、力強い成長を継続していきたいと思っています。また、現時点でこのような高い評価をいただけたことは、大変うれしく思います。

以上をもちまして、私たちからの説明を終了します。ご清聴いただき、ありがとうございました。

質疑応答:再現性高く案件を拡大できている背景について

荒井沙織氏(以下、荒井):「PR発想(ストーリーテリング)をもとに最適解を導くことができる点を追い風としていますが、再現性高く案件を拡大できている業界や、課題領域の共通点はありますか?」というご質問です。

青﨑:まず、追い風となっている市場の背景について少しご説明します。これまで広告を実施してきたお客さまにおいて施策の効果が頭打ちになった際に、当社グループが保有しているソリューションが代替手段として効果を発揮することがあります。

特定の業界に限らず、広告のマーケティング施策について「成長がサチュレーションしてしまったが、良い施策はないだろうか」と多くのご相談をいただいています。

再現性高く案件を拡大する点については、当社グループはストーリーテリングというプランニングのメソッドを形式知化しています。業界やサービス問わず、この形式知化したプランニング技術をお得意先にご提案できていることが、再現性の高いサービス提供につながっていると考えています。

質疑応答:広告運用の内製化の影響について

荒井:「一部で広告運用の内製化の話が出ていますが、御社に影響はありますか?」というご質問です。

青﨑:「ない」というのは嘘になると思います。広告運用、特に我々のデジタルマーケティング領域において、内製化を進める企業が出てくることは否定できないと考えています。

一方で、AIなどの進化により、生産性については我々も改善が可能です。そのため、内製化を進めるお客さまと我々のパフォーマンスを改善する取り組みを比べた場合、大きな影響はないだろうと現時点では予測しています。

質疑応答:継続的な収益につなげるための施策について

荒井:「『ストーリーテリングを用いて課題解決する』とのことですが、単発の施策で終わらせず継続収益につなげるために、提供価値をどのようにプロダクト化、仕組み化していますか?」というご質問です。

青﨑:まず、当社の実態についてお伝えします。細かい数字は開示していませんが、特にPRコンサルティング事業に関わる粗利の構成比の約8割をリピートのお客さまが占めています。

継続的な収益につなげるための特別な方法があるというよりは、それぞれのクライアントの課題に合わせて、質の高い最適なサービスを提供していることが、結果としてこのような粗利構成に結びついていると理解しています。

引き続き、すばらしいメンバーたちが質の高いサービスを提供し続けることで、単発で終わることなく、継続的な取引へとつながっていくと考えています。

質疑応答:成長を牽引するサービス領域と成長率向上の施策について

荒井:「総合的にコミュニケーション支援を行う中で、今後の成長を最も牽引するサービス領域はどこでしょうか? また成長率を高めるための重点施策を教えてください」というご質問です。

青﨑:本日ご報告したとおり、全セグメントが力強く成長しています。特に、クライアントがマーケティング施策としてSNSを活用する動きは加速度的に広がっています。この領域については、引き続きカバレッジを強化していきたいと考えています。具体的には、ショート動画やSNSの広告運用も含めて取り組んでいく予定です。

このように成長するサービス領域がある中で、「さらに成長率を高めるためにはどうすればよいか」というご質問かと思いますが、こちらは人とAIの掛け合わせにより生産性を高めることを目指しています。

吉田からご報告したとおり、当社では1人あたりでどれほどの粗利を生み出せるかが、非常に重要な要素となっています。そのため、この指標を向上させるべく、AIの活用を積極的に進め、生産性をさらに向上させていきたいと考えています。

質疑応答:デジタルマーケティング事業の成長ドライバーについて

荒井:「デジタルマーケティング事業はBridge社の参画で、顧客数増と顧客単価の向上が進みましたが、既存顧客の深耕と新規の顧客獲得のどちらが今後の成長ドライバーになっていくでしょうか?」というご質問です。

青﨑:どちらも重要な要素だと考えています。顧客数に関しては、引き続き引き合いをいただいており、質の高いお客さまを獲得することはもちろん大切です。

既存顧客とのさらなる取引拡大の観点では、Bridge社はこれまで単体でサービス提供を行ってきましたが、マテリアルグループに参画したことで提供できるソリューションの幅が広がっています。

これらを掛け合わせることで、既存顧客からの単価向上も見込めると考えています。どちらもまだ大きな伸びしろがあると理解しており、両方とも重要な領域です。

質疑応答:AI関連への投資と活用の展望について

荒井:「下期はAI関連へ積極的に投資する予定とのことですが、投資対象領域と期待する効果を、粗利成長および利益率改善の観点で教えてください」というご質問です。

吉田:AI関連への投資については、現在各社が積極的に実施していると思いますが、当社も非常に積極的に取り組んでいます。

まず、AIを活用する環境の整備を行っています。クライアントの情報をお預かりすることもありますので、セキュリティ面は特に重要視しています。そのため、セキュアな環境でAIを十分に活用できる環境を構築するために、一定のコストをかけて準備を進めているところです。

それがどこに効くのかというと、最終的には、一人ひとりがどれだけ多くの業務をこなせるか、また質の高いものをどれだけのスピードで提供できるかに関わってくるため、一時的には1人あたりの粗利が改善すると考えています。

一方で、「AIを使えば何でも簡単にできるか」というと、まったくそのようなことはないと思っています。例えば、まったく知見がない人がAIを使った場合にプロフェッショナルと同じ成果を出せるかというと、そうではありません。

PRパーソンやプロフェッショナルな人材がAIを活用する際、結局のところ、どれだけの知見を持った人がAIに適切に情報を入力し、アウトプットをレビューできるかが重要であると、これまでの取り組みを通じて実感しています。

したがって、当社が有する優秀なPRパーソンが、より多くのアウトプットを、より多くのお客さまにスピーディに提供することで、粗利の成長が期待できます。また、引き受けられる案件の数を増やす機会も広がるのではないかと考えています。

そのため、最終的には1人あたりの粗利が計画以上に伸びることを期待しています。ここでAI関連のコストを制約して来期以降の成長に影響を与えては意味がありませんので、この下期に関してはしっかりとコストを使い、投資を進めていきたいと考えています。

荒井:「まったく知見のない人がAIを使っても、プロフェッショナルと同じ成果は出せない」とお話がありましたが、出来上がったものにはどのくらいの差がありますか?

吉田:AIは、いわゆるハルシネーションと呼ばれる「嘘をついてしまう」といったレベルの話もありますが、それ以上に、「プロフェッショナルが自分で書いたらこのような感じ」というイメージをAIに生成させた時、期待どおりのアウトプットを得るのは簡単ではありません。

例えば、私はPRパーソンではなく素人ですので、AIにプレスリリースを作成させたとしても、その内容の良し悪しはあまりわかりません。一方、プロが見れば「これではぜんぜんダメ」など適切にレビューできるため、AIへの指示を修正し、正しいアウトプットを得ることが可能です。

事前に基準をある程度セットすることで、最低限の基準を作ることはできると思います。ただし、本当にクライアントに満足していただいたり、社会で話題になるようなリリースを作成するには、AIを右腕として活用するプロフェッショナルの知識と判断力が不可欠だと考えています。

荒井:キャッチーなものを生み出せるかは別として、最近は企業の発信が炎上する例も少なくありません。表現1つでも非常に繊細なため、ここがまだAIが追いつけない部分ということでしょうか?

青﨑:おっしゃるとおりです。世の中を読み解く力や、どのようなリアクションを得られるかの予測も、我々のようなエージェンシーでは多数のケースを持っており、それを基に判断しています。

感性や社会からのリアクションを推察する力において、まだAIよりも人が優れている部分がありますので、誰が指示を出すかが非常に重要だと考えています。

質疑応答:人的資本への投資について

荒井:「人的資本への投資を継続するとのことですが、成長を加速する上で、採用、育成、配置のどこが最大のボトルネックで、今期から来期にかけての打ち手となるのかを教えてください」というご質問です。

青﨑:成長を加速する上でのボトルネックについては、当社は新卒採用のエントリー数が1万人を超えており、採用に関しては非常に自信を持っています。この点については特にボトルネックにはなっていません。

しかし、どのエージェンシーにおいても共通して重要なのは、いかに早い期間で優秀な人材を育成していけるかという点です。

また、「トレプロ社で供給制約が発生している」とお伝えしましたが、このような成長著しい領域において、グループ内で適切な人材配置を柔軟に行えるかどうかが重要だと考えています。

これは特に今期や来期といった特定の時期に限定されるものではありませんが、新卒の研修プログラムや人材育成に関するパフォーマンスマネジメントサイクルについて、会社としては時間的コストも含め、毎年かなりのリソースを投下しています。

したがって、この部分の改善を継続していくことが、優秀な人材を採用することで得られる付加価値の最大化につながると考えています。

質疑応答:供給制約について

荒井:「供給制約は、人が足りないということでしょうか?」というご質問です。

青﨑:トレプロ社の「TREND PRODUCE(トレンドプロデュース)」というサービスは、企業の採用支援や集客支援を目的として、SNSのショート動画のアカウントの運用で伸びています。

このサービスでは、全国各地の契約クライアント先に出向き、戦略を考案し、シナリオを作成し、撮影や編集まで行うため、現時点では物理的な移動や工数が多く発生する仕組みとなっています。

また、単に現地で撮影を行えばいいというわけではなく、当社の持つメソッドを活用し、それを十分に理解した上でクライアントの魅力を引き出すことが求められます。そのため、「ただ人をそこに入れればいい」ということではありません。

第2四半期までで顧客数の成長が続いた結果、それに対応するための撮影、編集、コンサルティングを行う部隊が十分に確保できていない状況です。これを供給制約とお伝えしています。

質疑応答:PRパーソンの採用増と生産性を両立するための運用設計について

荒井:「PRコンサルティング事業では、PRパーソン数が増えつつ、1人あたりの粗利が高水準を維持していますが、採用増と生産性を両立するための運用設計と、再現性のある仕組みを教えてください」というご質問です。

吉田:先ほどの説明と非常に近い内容となりますが、青﨑がお伝えしたとおり、人が次々とチームに加わってきています。

その採用した人材がどれだけ早くクライアントに満足していただけるサービスを提供できるかが重要だと考えています。このスピードを早めるための取り組みは、現在複数進行しています。

大きく分けて2つの取り組みがあります。1つは、生産性の改善です。先ほどからお伝えしているとおり、AIを活用してシンプルなタスクをいかに早くこなせるようにするかを追求しています。

もう1つは、当社はBtoBのクライアントワークを行うビジネスであるため、クライアントとの親密性を高める取り組みを行っています。営業という言葉ではややニュアンスが異なるかもしれませんが、クライアントとの関係構築をしっかり進めることが重要なポイントになります。

そのため、我々が「マテリアルスタンダード」と呼んでいる、当社独自のクライアントサービスの基準を設け、それを徹底して守り、理解し、体現する取り組みを進めています。その結果として、生産性や1人あたりの粗利を下げることなく、規模の拡大が実現できていると考えています。

質疑応答:下期におけるPRプラットフォーム事業の成長鈍化を抑える取り組みについて

荒井:「PRプラットフォーム事業は、M&Aで粗利が前年同期比で大きく伸長しているというお話がありました。供給制約の中で、下期の成長鈍化をどのように抑えて、どのKPIを改善しますか?」というご質問です。

吉田:先ほど青﨑がお話ししたとおり、供給制約となっているクライアントサービスを提供するチームに、グループの人員を配置替えして供給体制を強化する取り組みは引き続き行っていきます。

また、トレプロ社はAIの活用が非常に進んでいます。AIを活用することで、本当に人が行うべきこととして、クライアントとの接点にフォーカスできる体制を整えています。現在、事業責任者である代表が積極的に取り組んでいるところです。

KPIの観点では、こうした取り組みが成果を結べば、営業利益計画を超過する可能性もあると考えています。

トップラインの拡大については、まず、もともと非常に大きな市場であると認識しています。現在、競合他社の参入が増加しているため、お客さまが選択できるかたちにはなっていますが、当社のサービスクオリティをしっかり維持・向上できれば、トップラインの拡大に関しても中長期的にはまったく問題ないと考えています。

質疑応答:流動広告市場における顧客獲得戦略について

荒井:「トップメッセージに『7兆円市場に挑戦』と記載されていますが、その市場の中で優先して取りに行く顧客層と、獲得の勝ち筋を教えてください」というご質問です。

青﨑:中期経営計画でもご紹介していますが、現在、広告市場は8兆円にまで拡大しており、その中でも流動広告市場と当社が定義している市場があります。

8兆円の市場には、テレビ局やGoogle、Meta Platformsに支払われるメディア費が含まれていますので、それは除いています。また、大手企業でなければカバレッジできない領域や、当社が内製化していない領域も除外して算出した流動広告市場は、8,400億円と見積もっています。

ここが当社が優先して獲得したい市場であり、今後お金の使われ方が大きく変わっていくと考える市場でもあります。

優先して獲得していく顧客層に関しては、得意としているBtoCのお客さまに注力していきたいというところは変わりません。獲得の勝ち筋としては、ありがたいことに多くの引き合いをいただいていますので、価値を確実に返していきたいと考えています。

どのような構造で引き合いが来るのかについては、先ほどのご説明とも重なりますが、テレビCMでは成長が難しくなった際に、「デジタルマーケティングに取り組んでみた。でもこれだけではダメだ」ということで、SNSや複合的なコミュニケーション施策を検討する中で、当社グループが想起されるようになってきています。

その結果、新たにご相談いただいた中で、これまで取り組んでいなかった施策なども含めて予算をお預かりし、ご提案に結びつけることができています。このようなことが継続し、プロジェクトの成果が出てくると、お客さまが新しいお客さまを呼ぶ状態を自然と生み出せると考えています。

これまでも積極的な営業で案件を獲得するのではなく、信頼と実績によって成長を実現してきました。このスタイルを維持しつつ、さらなる信頼を積み重ね、新たなお客さまを増やしていくことで、業容全体を拡大していきたいと考えています。

質疑応答:先行投資について

荒井:「営業利益率に対して、高い水準で成長しています。通期予想はそれよりも少し抑えている状態ですが、この差分が先行投資に回ると見てよいのでしょうか?」というご質問です。

青﨑:すばらしいご質問をありがとうございます。

吉田:概ねご理解いただいているとおりです。特にAI関連については、最近AIが広く浸透し、多くの方々が利用するようになっています。

その結果、トークンの消費量に応じた従量課金などのコストも発生しています。我々としては、これは非常に喜ばしいことだと捉えています。そのため、コストが一定程度先行すると見込んでおり、下期においてもAI関連の投資を行う予定です。

また、インセンティブ支給については、上期末と下期末に大きな支給があります。先ほどお伝えしたとおり、1人あたり粗利は高い水準を維持しています。このような観点から、下期においても一定のインセンティブ支給が発生する見込みです。これにより、利益率は下期に若干落ち着くと考えています。

一方、上期の業績は業績修正を出すほど好調でした。ただし、通期の業績予想は維持しているため、下期について不安を感じた方もいらっしゃるかもしれません。

業績予想を修正しなかったことから、通期の計画数値ぴったりにまで戻るというわけではないと考えています。通期計画の達成を見据えながら、コストの使い方について慎重に検討していきたいと思います。

荒井:人員が本当に足りないというわけではないということですね。

青﨑:そのとおりです。下期に向けて大きな課題があるために、通期計画の維持を強調してお伝えしているわけではありません。吉田がお話ししたとおり、来期や再来期以降、AIをどれだけ事業に取り込めるかが、我々のような企業にとって生き残りをかけた重要な差分になると考えています。

したがって、積極的な投資を行うことが、通期予想が堅調に進捗しているにもかかわらず、上期で上方修正を出さなかった理由です。ただし、コストを使い切るということでもなく、必要に応じて適切な投資を実現していくことを考えています。

質疑応答:インセンティブ支給について

荒井:「調子が良い時はインセンティブ支給を出すと考えてよいのでしょうか?」というご質問です。

青﨑:調子で決めているわけではなく、社内で規定している細かいルールがありますので、それに従って支給しています。スライドに示しているとおり、全領域で売上高、粗利、営業利益が目標を超過している状況です。そのため、社内で設定している営業目標を超過した場合は、ルールに則って支給しています。

荒井:今後もこれくらいの水準になったら支給される可能性があるということでしょうか?

青﨑:ご認識のとおりで問題ないと思います。

質疑応答:株価向上施策について

荒井:「業績は好調で、株主還元や株式保有などいろいろな取り組みも行っています。足元の株価の伸びは今ひとつですが、この停滞を打破できるような企業価値向上の取り組みを教えてください」というご質問です。

青﨑:グロース市場に上場している以上、まずは変わらず力強く成長していくことが重要だと考えています。また、前期は営業利益が未達となり、上場初年度も計画未達となりました。そのため、一般投資家のみなさまも含め、投資家のみなさまからの信頼という観点では、まだまだ十分ではないと認識しています。

したがって、我々経営陣のコミットメントとともに、力強い成長を通じて結果を示すことで、いずれ株価にもきちんと反映されると考えています。

また、これまで2期連続で自社株買いなどを実施してきましたが、適切なタイミングで資金の有効な活用方法を検討し、必要に応じて実行していきたいと思います。中長期でしっかりと応援していただけるような体制や状況を検討していきたいと考えています。

青﨑氏からのご挨拶

青﨑:ご視聴いただいたみなさま、ありがとうございました。この第2四半期においては、非常に力強い成長を実現し、その結果をみなさまに示すことができたと思います。

一方で、現在は環境や時代の変化が非常に速い状況です。これまで実現してきたように、この変化を追い風としてさらなる成長を実現していきたいと考えています。中長期的な視点でみなさまからのご支援を賜りたいと思っています。引き続き、当社を見守っていただければ幸いです。

ありがとうございました。

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