お金の価値観は、自身で作っていくもの。お金は自身の収入や資産に即して動いてくれることはたしかですが、身の丈以上の期待をしてもそれは無理な話なのです。(『【人生の添乗員(R)】からのワンポイントメッセージ』牧野寿和)
ファイナンシャルプランナー、牧野FP事務所代表。「人生の添乗員(R)」を名乗り、住宅取得計画やローンプラン、相続などの相談業務のほか、不動産投資、賃貸経営のアドバイスなども行う。著書に『銀行も不動産屋も絶対教えてくれない! 頭金ゼロでムリなく家を買う方法』(河出書房新社)など。
自らのお金の価値観は、どのように身に付いたのか?
お金の価値観は人によってそれぞれ違う
数千万円で売りに出されている住宅物件を
・高いと思うか
・お手頃だと思うか
・お値打ちだと思うか
もっと身近な物でも、イチゴが食べたくてスーパーに買いにいった時、大粒なイチゴが1パック1,080円のお値段で売られていた時、
・高いと購入の検討さえしない
・考えては見たが結局買うことはやめた
・考えることなく買った
人それぞれ、このような行動をするでしょう。ではなぜ、人によって違った考え方をするのでしょうか?
それは、お金がその人にとってどのくらい大切なものなのか、つまり価値観の違いだと思うのであります。
そこで今回は、お金の価値観について考えてみたいと思います。
自分なりのお金の価値観がある
家計収支を把握する方法のひとつに、家計簿を付けることは間違いはありません。
しかし、家計簿をつけていない家庭でも、サラリーマンであれば給与が振り込まれる通帳の残額を見ることで、ある程度の家計収支を把握することは可能です。
とは言っても、まだ私がサラリーマンの新入社員の頃、まだ会社から支給される給与の額はほぼ同じだと思うのですが、同期と会社帰りに一杯と話しがまとまり、まずどこの店に行くか、総支払額があの店は高い、安いが店選び基準になったり、またお勘定を支払いの時も通常は割り勘ですが、1円単位まで計算してくれる人もいたりしました。
なぜこのようになるのでしょうか?
それは少なくとも、会社に就職するまでの学生時代までに個々に身につけたお金の価値観の違いでしょう。
この価値観はその後、あまり変わることなく、その人の人生と共に歩んでいくように思います。
では、なぜそのような価値観が身に付いたのか次に考えていきます。
家庭環境による影響
以前にも書いたことがありますが、親が貯蓄をする習慣のある家庭であれば、その子も当たり前のようにお金を貯めることが多いです。
定期的に一定の額を貯めるには、家計支出を締めないといけない月も出てくるでしょう。
長期間に渡りその繰り返しをすることで、必然と締めた月の額で生活することが身に付いて、家計支出が締まり、蓄えが増える!
それを見て育った子どもにも伝播していくようです。
従って、家計を締めた家庭で生活を経験した子どもにとって、節約は考えることの必要のない自然のことかもしれません。
反対に、あまりお金を貯める習慣のない家庭の場合は、お金には無頓着で過ごすことができ、住宅購入をすることになれば、それから頭金を貯める計画を立て、その貯蓄のために今までより家計支出を締める生活が余儀なくされることになりますが、目標の金額が溜まれば、またお金を貯める生活をやめる。
極端ではありますが、悠々自適な生活が可能かもしれません。
どちらにしても、育った環境が影響することには間違いはないようです。
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