コロナ禍で不動産業界にはどんな影響が出ているのでしょうか?表面利回り8%以上の新規登録件数や高利回り物件は23区内のどこに出ているのかなどなど、独自に集計した最新の物件データをもとに解説します。(『1億円大家さん姫ちゃん☆不動産ノウハウ』姫野秀喜)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。
東京の物件、コロナでどうなった?
新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が出た4月〜5月。解除後には経済が回復するかと思いきや、まだまだ予断を許さない状況です。
そんな中、東京の物件はどうなっているでしょうか。私のところで独自に集計している高利回り物件データをもとに、簡単に分析してみました。
【データ前提条件】
- 東京23区内
- 表面利回り8%以上
- 一棟アパート・マンション
- 再建築可能
- 所有権
※再建築不可、借地権等は除く
※エラーデータは除く
高利回り物件は「半減」
以下のグラフを見ていただきたいのですが、23区内で新規登録された高利回り物件の件数は、コロナの影響が出る前の1月に比べて、3月〜6月は半減していることが見て取れると思います。
とくに自粛期間は、大手の不動産業者なども交代勤務やお休みなどをしていたため、登録件数の総数が減っていることによるものだと思います。つまり、高利回り物件が減ったというよりも、そもそも物件総数が減ったということです。
実際、期間にズレはあるものの、コロナの緊急事態宣言下では物件総数が大幅に減っていたことがわかっています。
利回りは上昇傾向
みなさんの疑問で最も多いのが、コロナの影響で「利回りは上がっているのか?」です。気になりますよね。
8%以上の高利回り物件だけで平均を見てみると、緊急事態宣言が出ていた5月の平均が8.25%だったのですが、6月には8.45%、7月には8.48%、8月には9.33%まで回復してきています。
とはいえ、高利回り物件が市場に出てくる件数自体は相変わらず少ないまま。ですので、このような条件のよい物件を簡単に手を抜いて買えると思ったら、大間違いです。ラクして得する方法はありません。
なお、上記のグラフは、利回りは8%以上のものだけ選出して平均をとっているものです。低利回りの物件を含むマーケット全体の平均利回りではありませんので、ご注意ください。
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