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「自宅は資産」は幻想。住宅ローンを抱えリストラと死の宣告を待つ者たちへ=鈴木傾城

マイホームの価値は買った瞬間がピーク

この時代、まだ「自宅は資産になる」と思っている人もいる。しかし日本はとっくに少子高齢化の時代に入っており、1年で20万人もの人口が消えていく人口縮小国家となっている。

地方から人が消え去って、不動産の価値が急激に減少している。資産価値の上昇は、基本的に東京や大阪のような都市部の、そのまた「一部の地域」のみしかない。

それなのに、新規マンションや住宅は次々と供給されるわけだから、少子化と供給過剰で資産価値が上昇するどころか、むしろ下落する確率の方が高い。

つまり、資産のつもりで住宅を買っても、それは数十年後になると価値が今よりも下がっているということを意味している。不動産価格や住宅が右肩上がりな時代は、バブル期でとっくの昔に崩壊したのだ。

長期ローンを抱えても途中で売れば金になるという時代ではない。買ったその瞬間がピークで、いつ売っても負債しか残らないような悲惨な状態になる。

それなのに「住宅は資産」「家賃を払うのと同じ」と、社会がよってたかって国民に長期ローンを組ませたがるのは一体なぜなのか。

莫大な金を貢いでくれる「カモ」が必要な世の中

「住宅は資産」という幻想で、誰があなたをカモにするのか。それは不動産業者や建設会社であり、固定資産税を取る国や自治体であり、長期ローンで金利を取る銀行である。彼らは客が長期ローンで借金をしてくれれば儲かるようになっている。

ほとんどの住宅はもう資産にならないのに、未だにそれが資産のように見せかけているのは、その方が彼らにとって都合が良いからである。だから、幻想と錯覚が長く続けばいいと彼らは考えている。

国家・自治体・銀行・不動産業者・建設会社が存続するためには、莫大な金を貢いでくれる「カモ」が必要だ。だから、「住宅は資産」というとっくに崩れた幻想が、今もそのまま続いているように見せかけられている。

カモが破綻したらどうするのか。別にどうもしない。銀行はカモが破綻したら、それをすべて取り上げればいいだけだ。実際、長期ローンが払えなくなって、銀行に自宅を取り上げられた例など捨てるほどある。

銀行に取り上げられるのだから、自分の物だと思ったものは、本当は自分のものではなかったということだ。

Next: すでに地方のマンションは悲惨。首都圏も決して例外ではない

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