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トランプ・リスクと米利上げ、NY株価「5つの経験則」=山崎和邦

イアン・ブレマーが考える「トランプ・リスク」

本稿の3月20日号で「トランプ・リスク」というものを述べた。“天才的国際政治学者”と言われているイアン・ブレマー氏の同時通訳の講演(3月16日)で聞いた話である。

これを今、聞いたまま要点のみを箇条書きする。

1. トランプは“いい人”ではないから大統領にはならないだろう。だが、万一と言うリスクはある。市場はリスクとみる。

2. そうすると米国国内の問題が起きる。彼は弱者に受けを狙っているが、大統領になったら豹変して弱者を見捨てるだろう。故に米国内で混乱が起きるであろう。

3. それでもTPPは進めるだろう。

4:日米関係は大丈夫だ。

5:但し、日本に対して米軍基地の軍事費を応分に負担せよと迫るだろう。その時は「静かに、但し、強硬に」抗議すべきだろう。日米関係は強固に保たねばならないから「静かに、且つ、強硬に」である。

「日本は貴国の国債を一番たくさん買って来たんだ。そんな無茶を言うなら、貴国の国債を売るしかない」と主張するのが良い、とのことだった。

「米国の日本離れ」は加速するか?

資金調達能力が高いヒラリーでも、どうやら、トランプ陣営の資金力に対しては劣勢で、
急遽ファンドを強化しており、ついに、日本の政治家や財界人にもその協力要請が求められるようになったが、まったく応えている様子がない。

そして、窮地に立つこのヒラリーのファンドに、全面的に協力しているのが中国だそうだ。それが本当なら、クリントンが勝てば米国は日本に冷淡になり中国寄りに傾くだろう。

クリントンが親中派のキッシンジャーを外交・軍事の助言役にすると公言したのは衝撃的だ。ヒラリーが大統領になった場合、日本にとって厄介な状況となる可能性がある。
「ヒラリー・クリントン大統領」誕生で、尖閣諸島を中国に奪われる日本

尤も、キッシンジャーは「失われた20年」の終盤近くで、「日本人は明治維新以来を見ると知恵のある民族だ。必ずこの長いトンネルを自力で脱出できるだろう」と述べ、長い不良債権時代の終焉を予言した知日派でもある。

Next: 米利上げとNY株価の関係~5つの経験則

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