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スルガ銀不正融資で新たな被害。安定望む客に「楽して稼げる」悪徳不動産業者の囁きは『かぼちゃ』以外も=榊原正幸

(2)楽して稼げるなんていう甘い話はない

特に不動産投資の世界でよく耳にするのが「楽して儲けよう」という言説です。そんなものは、ありません。

一方で、不動産投資の世界には「センミツ」という言葉があります。投資価値がある物件は「千に3つ」しかない、ということから「センミツ」というのです。その「センミツ」を探し当てるのに「楽して」できるはずがありません。

私は株式投資に関して、これまで30年以上にわたって、机上の勉強(=理論)と実戦での経験(=実践)を積んできています。また、現在も常に勉強していますし、データも毎日更新して、市況も毎日分析しています。そして、リスクを取って、努力によってそれをリターンに変換しています。

このように、株式投資の勉強をして、努力を傾注をすることが、私は好きなので、苦にはなりませんが、決して「楽して儲けている」という感覚はありません。

投資の世界の公式は、「リスクテイク + 勉強と地道な努力 = リターン」です。リスクテイクは、リスクを取ることです。投資で稼ぐには、この公式しかないと私は確信しています。

(3)身の丈に合わない借入はダメ。不動産投資をするなら「頭金は50%以上」が基本

不動産投資の場合、投資した不動産そのものが担保になるからといっても、35歳くらいの若者で、貯金が「347円」の人が、全額融資で2億円もの物件を買ってはダメです。身の丈に合わない借入はダメに決まっていますよね。

それに、不動産投資をする人は、「不動産なら、借金で投資できるからレバレッジがかけられて、とてもいい投資だ」というようなことを言う人もいますが、バカ丸出しです。

「レバレッジがかかっている」ということは、「ハイリスク」なのです。こういったリスクをリターンに変えるには、上に述べたように、「勉強と地道な努力」を加えなければならないのです。そうでなければ、リターンには変換できません。「勉強と地道な努力」をしなければ、ほぼ間違いなく「ハイリスク」が発現します。

不動産投資をする人は、「借金で投資するのが当たり前」と思っている人が無数にいますが、そんなのはまったくの間違いです。

さらには、不動産投資をする人は、「フルローンが組めたらいいね」というようなことをよく言いますが、これもバカ丸出しです。

ごく一部の例外を除けば、不動産物件というのは、買った後は価値が徐々に下がっていきます。減価償却するのですね。

それに、家賃が下がり続けたり、空室が続くような時は、不動産物件の価値も大幅に下がっていますから、売ろうと思ったら、買い値の半分になっていたなんていうこともザラに起こります。

それでも売り抜けられるようにするためには、「頭金は投資総額の50%以上」が基本だと心得ておかなければなりません。

「それでは『ROC(Return On Cash)』が低くなりすぎる」などと言う不動産投資家もいますが、そんなごうつくばりの意見は無視しましょう。

なお、株式投資にも「信用取引」があり、証券会社から借金をして株を買うことができます。これは「期限」と「追い証」のリスクがありますし、高い利息もかかりますから、初心者や中級者が手を出してはいけません。株式投資で大損したり、破綻したりするのは、たいていは株式投資の初心者や中級者が信用取引に手を出して失敗したというのがお決まりのパターンです。そんな悲惨な話は、掃いて捨てるほど存在します。

初心者や中級者で、信用取引で成功する人は、ごく一部の天才的な人だけです。そんな天才は、信用取引なんかしなくても成功するのです。

特に、信用取引の「空売り」は御法度中の御法度です。「空売り」で失敗すると、損失が無限大になる可能性があるからです。信用取引でも、「買い」で失敗する分には「破産」ですみますが、「空売り」で失敗すると、「自殺」が待っています。

なお、上級者で、どうしても信用取引をするという場合も信用取引の取引上限は、保証として差し入れる担保の「1倍」までにしておかないと危険です。また、保証金のうち、500万円くらいは現金で保有しておかないと、不可避、かつ、急なロスカットに耐えられなくなります。

要するに、「借金による取引」というのは、「身の丈を超えてはならない」ということを肝に銘じておかなければならないのです。

Next: そもそも不動産投資は儲からない?安定を夢見る前に現実を見よ

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