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スルガ銀不正融資で新たな被害。安定望む客に「楽して稼げる」悪徳不動産業者の囁きは『かぼちゃ』以外も=榊原正幸

(4)個人投資家レベルでは不動産投資は、実はあまり儲からない

「不動産投資は、実はあまり儲からない」というのが私の偽らざる実感です。手間が多い割りに、手取りの利回りは「2%とか3%」になってしまうことが多く、それなら株式投資の配当利回りだけでも、そのくらいの利回りは充分に獲得できます。

それこそ、配当収入だけであれば、不動産投資とは比較にならないほど「何もしなくても」獲得可能です。

もちろん、不動産投資のプロとして、有望な物件を誰よりも先に手に入れるルートを持っていて、膨大な借入をものともせず、大きな利益につなげることができる「才能のあるごく一部の不動産投資」なら大儲けもできるでしょう。

たとえば10億円で不動産投資をすれば、たとえ手取りの利回りが2%とか3%でも、2,000万円や3,000万円の手取り年収を稼ぎ出せますし、100億円の投資がきちんとできれば、手取り年収は2億円や3億円になります。

トランプ元大統領なども不動産投資で巨万の富を築き上げた1人です。でも、そういうのは「才能のあるごく一部の天才」のみがなせる技です。

個人投資家レベルでは、たとえば5,000万円の投資をしても、手取りの利回りが2%とか3%であれば、手取りの利益は年間で100万円か150万円ですし、それも利率が少し変動して上昇したら吹き飛んでしまいます。

なお、「手取りの利回りが2%とか3%」といっても、投資額をすべて現金で賄えばまだしも、借入で賄う場合は、よほど上手に投資しないと、「手取りの利回りが2%とか3%」でさえも、実現するのはなかなか難しいです。

運営経費や修繕引き当てや税金などで、手取りは、かなり削られるからです。

「不動産投資よりも株式投資の方が儲かる」というのが私の実感ですが、株式投資の利回りは不安定です。前述の例のように「10年間で平均して7%」の利回りを達成しようと思ったら、多年にわたる努力と研鑽が必要なのは言うまでもありません。

ですから、株式投資も決して楽して儲かるわけではありませんが、不動産投資よりは儲けやすい投資だと思います。くどいですが、「勉強をすれば」ですが。

株式投資の方が不動産投資よりは儲けやすい理由は、不動産よりも、株式の方が「リスク資産性」が高いからだと思います。この場合の「リスク」とは、「危険」という意味ではなく、「価格の変動率が高い」という意味です。ファイナンスの理論では「リスク」とは、「価格が動くこと」を意味します。

(5)そもそも今の日本において、人生に「安定」なんて、ない

終身雇用制度が崩壊し、大企業でも潰れる時代になって久しいです。公務員だって、地方財政は火の車のところが多いですし、パワハラやセクハラで辞めたくなることだってあります。

つまり、そもそも今の日本において、人生に「安定」なんて、「ない」と思っておかなければならないのです。

今の日本において、「安定」がなくなったからこそ、「安定」を求めたくなって、騙されやすくなってしまうのかもしれませんが、「不動産投資なら、安定的に利益が出せますよ」などというのは、まったくの虚言です。

もしそれでも「安定」を求めるのであれば、不動産投資や株式投資のことを「勉強する」しかないのです。

自分のアタマにたたき込まれた知識と経験は、誰にも盗まれませんし、増えることはあっても、減ることは滅多にありません。ボケない限り自分に宿った知識と経験は、「安定」しています。「安定」は、自分のアタマの中にしかないのです。

不動産投資が安定してるのではなく、「不動産投資のことを徹底的に勉強した自分の知識と経験」があるからこそ、安定するのです(もちろん、認知症になったら、それも失われますが、その時は人生も終焉を迎えているので、それは仕方がないことです)。

短い市況展望

日経平均のPBRとPERや株価チャートを総合的に勘案すると、8月末頃までに「24,600円」くらいまでの下落があってもおかしくはないと考えていますが、一気呵成に暴落するという感じではないかもしれないので、それまでにも短期的な戻りを狙った短期売買は可能かもしれません。

しかしながら、日経平均株価の趨勢的な方向性は、8月末頃までは下落基調が続くであろうと予想しています。

一方、ずっと下がり続けるというのも現実的ではありません。

今年の秋には、衆議院議員選挙があるので、9月の上旬が買い場になるでしょう。まさに「Sell in May and go away. And come back in September.」とか「節分天井、彼岸底」といった日米の相場格言通りの年になりそうです。

しかし、日経平均のPBRとPERから判断すると、戻り高値は「29,000円前後まで」といったところで、年内の30,000円超えは難しいと考えています。

よほど強い資産インフレになれば、話は別ですが。

今回の下落の後には、「コロナ相場も終わり、東京五輪も終わった通常の相場」が展開されていくことでしょう。それでこそ、私の本領が発揮できる相場だと思うので、ワクワクしています。

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  • 号外「買い注文は手控えながら、安値を待つ」(6/19)
  • 第001号 PART2「目指せ! 60歳でハッピーリタイア」(6/1)
  • 第001号 PART1 「どうなる?『東京五輪』」(6/1)

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Prof.サカキの市況展望 プラス 教授に質問!』(2021年6月20日号)より一部抜粋
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