「ド・ドドンパ」で負傷者続出、株価への影響は
ド・ドドンパと言えば、富士急ハイランドの名物ジェットコースターで、発射1.56秒で時速180kmに達し、世界No.1の加速と世界最大級のループを誇るアトラクションです。
大人気アトラクション「ド・ドドンパ」での負傷者は、ここまで計12人となったことを報告しています。そして、9月21日には、別のアトラクション「FUJIYAMA」と「ええじゃないか」でも2人の負傷が判明。負傷者は計14人となりました。
株価は、一時はコロナ以前ピークの水準(19年9月4,830円)を上回っていましたが、今年の8月以降には再度19年9月の水準を下回り株価4,225円まで下落しています。
背景には、前述のジェットコースター「ド・ドドンパ」の利用客が負傷したことですが。それだけでなく、負傷があったことを、原因は乗客側にあるとして2021年8月まで山梨県へ報告していなかったのです。
その後、富士急ハイランドは2021年8月12日から施設を運休し、事故があったことを8月17日に山梨県へ通知、山梨県が建築基準法に基づいて21日から立ち入り調査を始めていました。
これらが明らかになり、富士急行ハイランドへ客足が遠のき、業績へも悪影響が出るのではないかとの懸念から株価が下落しています。
新型コロナウイルスの感染拡大や訪日外国人客の消滅で厳しい収益環境に置かれていることは間違いないですが、ここからさらに一段安となるには、さらなる悪材料が出ない限り下値を模索する動きは出ないと見られます。
今期は「黒字浮上」の見通し
このように大きな問題を2つ抱えている富士急行ですが、業績そのものは「黒字浮上」の見通しです。
コロナのダメージで、21年3月期の営業利益は30億円の赤字に転落しましたが、22年3月期は25億円の黒字に回復する見通しです。
また、コロナでも前向きな取り組みを行ってきました。
富士急行は、7月1日~8月末まで、富士急ハイランドを含めて約30施設では、ワクチン接種者に対して入場料金の割引や特典などを用意してきました。
また、富士急ハイランドでは、7月下旬に新設する『FUJIYAMAタワー』の入場料大人1人1,400円が無料になるなどの、取り組みを行っています。