ジェットコースターのような急回復は望めないが、緩やかに成長へ向かう
さらに、非接触化を実現するために『富士急ハイランド公式アプリ』の導入を行い、チケットの購入から顔認証登録を事前に行うことで入園時の非接触化に成功しています。アプリによって、各アトラクションの待ち時間をリアルタイムで表示でき、待ち時間を短縮する絶叫優先券の購入など、快適に園内で過ごせる工夫や、デジタルマップ上でのルート案内機能等の様々なサービスがスマートフォン1つで利用可能となっています。
その他、富士急ハイランドでは大人気忍者アニメ「NARUTO-ナルト-」の世界観を楽しめるライド型VRアトラクション「幻影劇場」をオープン。
また、混雑を避けながら4大コースター(FUJIYAMA、高飛車、ド・ドドンパ、ええじゃないか)を自由に乗車できる優先入園特典付きのフリーパスの販売を行うなど、話題の獲得と集客に努めています。
キャンプブランド「PICA」を展開するアウトドア事業では、10代〜20代女性を中心に絶大な人気を誇る恋愛番組『恋とオオカミには騙されない』とのコラボレーション企画を実施するなど、若年層を取り込むためのキャンペーンを行っています。
さらに、富士急ハイランドに隣接する「ふじやま温泉」では、サウナをフルリニューアルし、心地よい温度・湿度を楽しめる「IKIストーブ」や富士山の天然水を噴射する「自動ロウリュ」を導入して「FUJIYAMA SAUNA」としてオープンするなど、ユーザーを飽きさせない努力を継続しています。
「ド・ドドンパ」の負傷報告はネガティブな報道ですが、富士急ハイランドが愛されていることには変わりはなさそうです。
また、「格安賃料の訴訟」もまだ決着が着くには時間を要することを考えれば、この先は、やはり経済再開に伴う、レジャー・サービス業、ホテル事業の立ち上がりの期待の方が大きいでしょう。
ジェットコースターのような急発進ではなく、緩やかな立ち上がりが期待できそうです。
本記事は『マネーボイス』のための書き下ろしです(2021年10月20日)
※タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による