新興国株は上昇を予想
アメリカが前述の3点セットを実施するなら、新興国株や新興国の通貨は売られます。なぜなら、経済的に不安定な新興国から、金利が高く安全なアメリカにおカネが流れ込むからです。
これが急に起きると新興国経済にとって打撃になります。最悪の場合、過去何度か起きた「新興国発の経済危機」が起きてしまいます。
でも、今年に限ってはそれはないと思います。アメリカが利上げするといっても0.25%が4回ほど、利上げの幅は1%にとどまるでしょう。長期金利も昔のように5%を超えることはなく、せいぜい2~3%の範囲にとどまると思います。
この程度の金利上昇にとどまれば、新興国側で起きるマネーの流出もまた緩やかなものに止まり、連鎖的にいくつもの国が破綻するということは起きにくいと思います。
むしろコロナの終息傾向により、新興国側の経済回復が本格化し、経済が活性化するという良い面のほうが出やすいと思います。
このような観点で、今年の新興国株は上がりやすいと思います、特に成長性の高いASEANやインドなどは期待できると思います。
金利が上がり、債券は下がる
アメリカの長期金利(10年債金利)はすでに1.7%を超えました、コロナ終息を徐々に織り込みつつあるようです。
今年はFRBによる国債買いもなくなりますし、バイデンさんの財政出動プランによって、国債の発行量も増えてゆくはずです。
その結果、アメリカの長期金利はさらに上がると予想されています。
といっても例えばリーマン・ショック前の5%があるとは思えません。上がるとしてもせいぜいコロナ前の3%あたりがいっぱいいっぱいではないでしょうか。
金利と債券価格はコインの裏表です。つまり、金利が足元の1.7%から3.0%に上がるということは、債券の価格は下がるということです。
従って債券への投資は避けるべきでしょう。