商品相場は緩やかに上昇か
昨年は記録的な商品相場の上昇となりました。CRB指数ベースで何と40%もあがりました。これはデータを遡れる1994年以降で最大です。
コロナ終息傾向から原油などエネルギー関連が上がりましたし、電気料金の値上がりから、電気を大量に使うアルミニウムも上がりましたし、銅も上がりました。
また世界的な天候不順や、脱炭素⇒穀物由来エネルギーの増加によって、穀物相場もよく上がりました。
唯一蚊帳の外だったのは貴金属で、金・銀・プラチナなどは昨年下げて終わりました、プラチナの予想を外したのは、昨年の本予想の唯一の失敗です。
今年はこの高い発射台からのスタートなので、商品相場にとって厳しい1年になると思います。
穀物や非鉄金属、エネルギー関連など、足元で商品相場の上昇が進みつつありますが、その要因は以下の3つです。
1)コロナ終息見通しから需要の回復
2)中国による爆買い
3)物量の混雑による供給の停滞や、コロナによる一時的な生産量の低下
では、上記3点は今年どのように動くのでしょう。
まず(1)ですが、今年はコロナ終息が明確になり、さらに需要は盛り上がると思います。
(2)は、中国はすでに一定量の国家備蓄は確保したようですが、中国人の富裕化による消費拡大は止まりそうもありません。やや弱まりつつも爆買いは続くとみております。
(3)はどうでしょう。仮にコロナ終息方向なら生産の停滞は解消し、物流の混雑も緩和されると思います。
以上をまとめますと、あいかわらず商品相場に対して上昇圧力は加わるものの、昨年のような急上昇はなく、緩やかな上昇にとどまるのではないでしょうか。
特に年の半ばから終盤は、商品相場の上昇は抑えられると思います、場合によっては後半下げに転じるかもしれません。
どちらに転ぶかは米国インフレ率次第
もしこの見立てが正しけれどうでしょう。特にアメリカの金融政策は影響を受けると思います。
つまり、「世界の商品相場の急騰は止まり → インフレの緩和 → FRBによる利上げのペースの鈍化」となるでしょう。
これは世界の株価にとって悪いお話ではありません。僕は株のところで以下のようなお話をしましたが、その理由は上記の通りです。
「どちらに転ぶかは、アメリカのインフレ率に依存する」と僕は思います。
足元の7.0%からさらに拡大するならば、3点セットで株の下落。逆に年前半で頭打ちになり、年後半にかけスローダウンするならば、2点にとどまり株価(特に高PER銘柄)の上昇です。
僕の予想は「後者」です。