日本株は割安感から買われる
まず、日本株からです。
昨今なにかと悲観色が漂っている日本経済ですが、今年という短期に限れば、意外と日本株投資は儲かると思います。
理由はいくつかありますが、1つ目は足元の割安感です。日経225ベースのPERは、予想収益ベースで足元14倍ほどに止まります。
確かに日本株は低成長領域と世界からみなされてはいますが、そのディスカウント分を考慮しても、PER14倍は少し割安感があると思います。
今年はコロナが終息に向かいますし、半導体の不足や物流の停滞も解消されるでしょう。なので日本企業の来期(2023年3月期)決算は、平均で10%ほどの増益になると思います、
従って、今年の日本株もこの10%増益を織り込む形で上昇するというのが僕の見立てです。
仮にPERが14倍のままなら、日経平均の目標は31,300円ほどです、もう少し見直されPER15倍まで買われるなら33,600円、このあたりが今年の目標になると思います。
インフレ率で決まる米国株対策
アメリカ株について考える場合、先ほどお話ししたFRBの金融政策は重要な要素です。
もし先ほど申しましたように、2022年中に「テーパリング」「3〜4回の利上げ」「流動性の吸収」の3点セットを全部やってしまえばどうでしょう。
この場合、アメリカ株にとっては大きな痛手になるでしょう。特にコロナ以降に急伸したGAFAMといわれる5社をはじめ、NASDAQ上場の高PER銘柄は投資資金の流出から株価が下がることになるでしょう。一方で、上述のように、例えばメタバースや先端半導体、EV関連銘柄は、これら高PER銘柄群と重なっています。
私たちはこの長期と短期の時間軸によるねじれ現象を、どう解釈したらよいのでしょう。
おそらくこれら銘柄は長期で見れば買い、一方で今年1年という短期で見れば大きく下げると考えるのが素直な解釈ではないでしょうか。
そもそも相場が一定のピッチで上がり続けるということなどありえません。長期的な視点で大きな儲けを狙うなら、短期の下落を受け入れなくてはなりません。
言い換えれば株の利益は、短期の下落を耐えたものだけに与えられる報酬だともいえるでしょう。
ただし、FRBが上記3枚の手札をぜんぶ切るかどうかはわかりません。年後半にはインフレが落ち着き、「流動性の吸収」には至らずに済む可能性も十分あるからです。
その場合、市場には大量のマネーが滞留する状態が続きます。高PER企業が吸収したマネーはそのまま滞留し、企業業績のさらなる拡大が、株価を引き続き押し上げることになるでしょう。
言い換えればPERは高めを維持しながらも、企業業績拡大ぶんだけ、株価はさらに上昇するというシナリオです。
どちらに転ぶかは、アメリカのインフレ率に依存すると思います。
足元の7.0%からさらに拡大するならば、3点セットで株の下落。逆に年前半で頭打ちになり、年後半にかけスローダウンするならば、2点にとどまり株価(特に高PER銘柄)の上昇です。
僕の予想は後者です、理由は後述します。
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