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人類史上類なき緩和から各国中銀一斉の量的引き締めへ。史上空前の大暴落の号砲で世界のマーケットは焼け野原と化す=今市太郎

FRBの利上げ示唆に続き、英国中銀やECBも利上げモードに突入し、市場もそれを折み込始めました。2008年以降、人類史上類を見ない金融緩和で発生した全方位バブルを本当にソフトランディングさせることはできるのでしょうか?(『今市的視点 IMAICHI POV』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市的視点 IMAICHI POV』2022年2月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

FRB利上げ示唆時より大きく変化したマーケット

ホワイトハウスの報道官が異常に事前の警戒警報を発令していた1月の雇用統計ですが、発表されてみれば大騒ぎするほど悪い数字ではなく、ドル円は115円台に吹き上がって週の取引を終えることとなりました。

しかし、ここからが俄然難しくなったのは英国中銀は既に利上げで、さらなる利上げ余地を示唆、年内は利上げなしとしていたECBは完全に利上げモードに入っており、早ければ7月にも利上げ、さらに0.4~0.5%程度の利上げを市場が勝手に織り込み始めており、1月におけるFRBだけの利上げ予測とは、大きく変化し始めていることがわかります。

実際にどこまで各中銀が利上げするのかは、実施してみないことにはわかりませんが、ここからは市場の織り込み具合で、為替相場が上下動する可能性が高く、かなり難しい取引の時間帯を過ごすことになりそうです。

中銀一斉の量的引き締めで未曾有のバブル相場は崩壊しないのか

中央銀行はインフレの番人の役割を果たすのが基本ですからインフレになれば利上げしてそれを抑制するというのは、実に当たり前の政策で誰もそれを否定することはできません。

しかし2008年以降、米国に続いて日欧の中央銀行が連携する形で人類史上類を見ないような金融緩和でバラまきを行い、さらに新型コロナでそれをさらに凌駕する緩和を実現させてしまった後で、個別の国の事情から、緩和やめます、利上げしますで、この前人未到の全方位バブル相場を破裂させずに終息、着地させることが本当にできるのでしょうか?

モルガン・スタンレーのアナリストは4日、世界の主要中央銀行が史上最大の量的引き締め、いわゆるQTに乗り出そうとしており、今後12カ月間に2兆2000億ドル、日本円にして257兆円もの資金が市場から消滅すると予測し始めています。

米国株式市場で予想される史上空前の大暴落

足もとの米国株式市場は完全にプロのファンドも個人も、レバレッジという借金をして相場に臨んでおり、金利が上昇するだけでも市場に居残るのはかなり難しくなるわけですが、さらにリスクマネーの資金が市場から消えることになれば、当然今まで通りの投資行動を行うことはできなくなり、それぞれの資本市場の出口に投資家が殺到することになれば今までにお目にかかったことのないようなミンスキーモーメントに遭遇し、市場空前の大暴落に直面する可能性が高まることになります。

直近の相場では一定のサーキットブレーカーが働きますから、暴落率はある程度抑えられるのでしょうが、金額の水準が著しく高いことから株式市場では相当な損失がでることが考えられますし、なにより最大のバブルとなっている債券市場が焼け野原になる危険性はここ100年の相場の中でも相当高くなりそうな気配です。

3月のFOMCで利上げが実施されますとAIやアルゴがいまさらという売りに転じることで相場状況が一変する可能性は今から相当意識しておくことが重要になりそうです。

Next: 今週はまたしても発表される米国CPI速報に注意が必要

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