2014年の古い調査ですが、3,200万人いる高齢者のうち、200万人が生活保護基準よりも低年収で生活しています。つまり、高齢者の16分の1(6.25%)が「老後破産」の状態にあるということを示唆しています。さらに独居高齢者に限れば、3分の1が破産状態となっています。誰にとっても無関係な問題ではありません。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
ファイナンシャルプランナー。2人の子どもと夫婦の4人暮らし。子育てをしながらフルタイムで働く傍ら、投資信託の積立投資で2,000万円の資産を構築。2013年にファイナンシャルプランナー資格を取得。雑誌を中心に執筆活動を行う一方、積立投資の選び方と積立設定までをマンツーマンで教える家計のコーチング・サービスを展開している。
高齢者の「16人に1人」は老後破産
若いときに無計画でいると、老後に生活できない事態に陥り、最悪の場合には「老後破産」してしまいます。
老後破産とは、高齢者が経済的に困窮して破産すること。老後破産しないための対策には、定年後も働く、借金を整理するなどがあるでしょう。
退職金を使い果たして破産してしまう「定年破産」という問題もあります。
明治学院大教授が推計した数字では、3,200万人いる高齢者の中で、200万人が生活保護基準よりも低年収である可能性を示唆しています。
いったい破産世帯はどれくらい存在するのか。河合克義明治学院大教授が語る。
「私たちが実施した東京都港区と山形県における調査では、生活保護基準よりも低年収である高齢世帯の割合がどちらも56%と、高齢世帯のほぼ半数にのぼることがわかっています。現在、一人暮らしの高齢世帯はおよそ600万人。推定で300万人が低年収世帯と言ってよいでしょう」
そこから、生活保護を受給している高齢世帯を差し引いた、200万以上もの人々が老後破産の状態にあると推定される。日本全国で65歳以上の高齢者の数は3200万人。およそ16人に1人が老後破産の状態にあり、独居高齢者に限れば3人に1人にも上る。
※出典:「普通のサラリーマン」だった私は、定年からたった10年で破産した(週刊現代) – マネー現代 | 講談社(2014年10月6日配信)
上記の通り、高齢者の16人に1人(6.25%)が「老後破産」の状態にあるということです。
独居高齢者に絞るとさらに悲惨
さらに注目すべきは、独居高齢者に限れば、3人に1人が「老後破産」の状態になっていること。老後にひとり暮らしをすることになれば、高い確率で老後破産になってしまうということです。
とくに独身で老後を迎える人は、早い段階で老後の資金について考え、対策する必要があるでしょう。
16人に1人もの高齢者が老後破産の状態にあるとは、皆さんが想像するよりも多い割合なのではないでしょうか?
「自分には関係ない」とは思わずに、現実的に考えて、原因を把握し、早いうちから対策することが非常に重要です。
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