fbpx

次世代半導体に不可欠「EUV」で躍進する日本企業4社とは?株価動向と投資戦略を解説=田嶋智太郎

アルバック<6728>:最先端「成膜装置」の引き合い増加

同社は、EUVを使って半導体を微細化する工程向けの最先端「成膜装置」=マルチチャンバ型スパッタリング装置を開発し、業界の巨人であるところのAMATの牙城を崩してロジックの世界への参入に成功。すでに大手企業への納入実績も上がってきており、今後一層の拡販が期待されている。

足元は、FPD(フラット・パネル・ディスプレイ)装置がPC用などの投資継続で想定を超える伸びとなっているうえ、電子部品装置も自動車のEV化の進展で増が続いている。

22年6月期通期は、部材不足が緩和することで半導体装置が一段と伸長する見通し。会社側は、連結営業利益が前期比54.1%増の265億円、純利益が同21.4%増の180億円と好調な状態が続くことを見込んでいる。

アルバック<6728> 週足(SBI証券提供)

アルバック<6728> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、17年11月高値から20年3月安値までの下げに対する76.4%戻しの水準を今年1月に達成、そこから一旦調整。目下は、一目均衡表の週足雲下限水準御攻防となっている。

5月12日に発表される3Q決算の結果が楽しみである。

荏原<6361>:真空排気システムに将来期待

同社は、EUV露光装置の需要の高まりを背景に、EUV露光装置に付帯する真空排気システムの販売を行っている。EUV露光プロセスに必要となる大流量水素を排気できる性能を有しながら、省エネルギーかつ省フットプリントを実現しているという。

足元は、データセンターの設置増加による半導体需要の拡大で半導体製造装置が好調。中国で主力のポンプも伸びが続いている。環境プラント事業では廃棄物処理施設の大型案件の受注が続く。風水力事業の継続的な収益性改善や精密・電子事業の増収、円安の影響などが利益面のお幅な改善にも貢献している。

また、日本の国土強靭化関連の公共投資を担っている点からも中長期の活躍が期待される。

荏原<6361> 週足(SBI証券提供)

荏原<6361> 週足(SBI証券提供)

足元の株価は、コロナショック後に右肩上がりの推移を続けており、目先は一目均衡表の週足「雲」上限付近まで調整するも、同水準が下値サポートとして意識されやすい。押し目買いのチャンスが近づいていると見る。

Next: 調味料の技術を電子材料に応用した味の素<2802>

1 2 3
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー