1ドル130円超えが見えてきた
そもそも、先週段階でも市場参加者は簡単に為替の協調介入などが行われる可能性が極めて低いことを認識したようで、今度は米債金利の上昇に合わせる動きを示現するようになります。
金曜日の相場の極めつけは、この日ニューヨークのコロンビア大で講演した黒田総裁が日米の経済状況は大きく異なっており、日銀は現在の金融緩和政策を継続する必要があると述べた途端に、アルゴなのか投機筋なのかわかりませんが、円安には触れなかったにも関らず129.100円レベルまで跳ね上がる動きを見せました。
さすがに週末ということもあり、利確も出て128円台に押し戻されたドル円ですが、28日の日銀政策決定会合で、毎回の御念のような表現での現状維持と、その後の黒田総裁の緩和継続意向再確認発言が飛び出せば、完全に130円を超えることになるでしょうし、このタイミングですでに130円に乗せているとなるとさらに上昇し、131円~132円あたりも視野に入る状況です。
5月4日FOMCの政策発表は大きな鬼門になる可能性
さて、28日を通過すれば本邦は完全なゴールデンウイーク入りとなり、今年は2日と6日を休めれば10連休を過ごすことができます。
ただ4日の午前3時にはFOMCの政策決定があり、利上げも資産縮小についても材料が出尽くすことになりますので、ここでドル円も相当な巻き戻しを食らうリスクは考えておく必要がありそうです。
そもそもGW期間中はドル不足から輸入勢のドル買いは出なくなり、上値には輸出勢のリーブオーダーがぎっしり並ぶことが容易に予想されます。
ですから、たとえ28日の日銀会合後に吹き上げても、それ以上にスルスル上る可能性はかなり限られることになり、逆に4日のFOMCを受けて一気に反転下落する危険性を考えておく必要がありそうです。
ここからのベストな売買戦略
足もとのドル円相場をテクニカル的にだけ見ている方は、ここからドル円が調整下落するのではないかといったお決まりの予想もされているようですが、相場の動きを見ていますとこれでピークアウトとは思えず、さらに上方向を試しに行く可能性のほうに賭けるべきであろうと考えております。
したがって、しっかりストップロスを入れた形でドル円は押し目買い、28日の日銀会合後まではとにかく保有し、まさかの政策変更があればいったん手仕舞うこととして、上に吹き上がるのを待ちたいと思います。
また吹き上げたところは手堅く利確して、安らかなゴールデンウィークを過ごされるのが1つのアイデアですし、逆に高値で売りを指してFOMCを受けた下落の動きにさらに賭けてみるというのが、もう1つのアイデアになります。