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「政府の赤字はみんなの黒字」真の保守政治家・安藤裕は日本をどのように救うのか?新党くにもり共同代表にインタビュー=鈴木傾城

「国防を語る資格なし」自民党政権の一番悪いところは?

――今、自民党政権ですけど、自民党のここが一番悪いというのはありますか?

今、経済安全保障を国会でやっておりますね。たとえば半導体みたいなものを中国に技術を取られたらマズいから、これを防衛しましょうというようなことをやっています。しかし、コロナで中小企業の売り上げが落ち込んで、みんな倒れていて、それを中国資本に買われてます。これ、経済安全保障を放置してるじゃないですか。不動産も買われまくってるじゃないですか。もう経済安全保障なんかどこにもないですよね。これで、経済安全保障を大事にしている自民党です、防衛も国防費2%にします、それで外国から攻められた時に国民を守るのは自民党です……と言っているのです。コロナの時にバタバタ人が倒れている時に手を差し伸べなかったのは自民党じゃないですか。人の命を守るとか、侵略から国を守るとか、そんなのは嘘っぱちですよね。もう国防を語る資格はないわけです、自民党は……。他にもいっぱい言いたいことがありますけどね、自民党には。(笑)

――自民党はもう国防を語る資格はない、と……。

自民党は「経済の自民党」とか言っていますけど、「経済しか見ない自民党」になってしまいました。その結果、一部の金持ちだけが豊かになって、その他のそこに至らなかった人たちには努力が足りないと切り捨てられる社会にしてしまった。安倍元首相は、第二次安倍政権で何を強調していたのかというと、「世界で一番ビジネスがしやすい国にする」と言っていたわけです。それは、違うんじゃないですか? 「世界で一番国民が幸せな国にします」と本当は言うべきなんです。ビジネスがしやすいというのは単なる利益の追求です。拝金主義の人たちを優遇する政策なわけです。それは本来、国民が求めている政治ではないわけです。

――今の岸田政権についてはどのように思いますか?

総裁選の時は良いこと言ってたんですけどね。「令和版所得倍増、これは良い言葉だよ」と思っていました。大平正芳の田園都市国家構想、その前の池田勇人の所得倍増論など、宏池会の良い伝統を引き継いで来たなという感じでしたけれど……。言っただけでしたね。すぐ引っ込めてしまいましたね。本当は「令和版所得倍増」はもっと言ったらいいんですよ。新自由主義からの脱却も、もう止めてしまいましたね。

――新しい資本主義とか言ってますけど、あれはどういう意味合いがあるんですかね?

あれは岸田さんもよく分かっていないんだと思います。それを固めている若手が新自由主義者ですから、つまりグローバリストですから、そっちの方に入ってますね。つい、こないだもPFI方式を進めますというわけで、完全に新自由主義者の政策を堂々と言っていましたから、たぶん新自由主義からの脱却という意味がよく分かっていないんだと思います。新しい資本主義は「超グローバリズム」で「超新自由主義」が推進されるという方向に向いているんじゃないでしょうか。

「政治家の9割は勉強していない」

――先生はこれまで自民党の中で活動されておられましたが、積極財政などは理解されないものなのでしょうか?

理解されないですね。だいぶ勢力が増えてきたとは思いますけど、まだまだ緊縮の方が多いなと思います。前に比べればだいぶ状況は改善はしましたけどね。でも、まだ積極財政に転換するのは相当困難じゃないかなと思いますね。

――世間では財務省があまりにも強すぎるという話もありますが、このあたりはどうなんでしょうか?

実際、そうだと思いますよ。財務省が説明に回ることもありますし、大して勉強をしていない議員なんかは「そうなんだ」と思ってしまいますから、簡単に財務省のコントロール下に入ると思います。あと、「これから勉強します」みたいなことを言う議員がいるじゃないですか。「これから勉強します」だと、役人の言うことを基本的に教えてもらうわけで、役人の言う通りになるわけです。だから、これから勉強しますでは駄目なんです。その前にある程度ちゃんとした正しい考え方を自分の素養として持っていないと簡単に財務省の言いなりになります。ほとんどの人はそういう準備をしていないで、選挙のことばっかりやっていますから、そういう理論とか哲学とかないまま議員になっています。なので、財務省の言いなりになってしまうわけです。

――先生から見ると、今の議員はどれくらいが勉強していないんでしょうか?

比率で言うとどうだろう、政治家の9割は勉強していないんじゃないですか。与野党ともにそうですよ。野党だってまともな野党だったら、こんな体たらくになっていないじゃないですか。選挙のことしか考えないでしょ、議員は。選挙のことだけで頭がいっぱいで、他にやれないんですよ。もういっぱいいっぱいで。

――衆議院議員も参議院議員も関係なくですか?

本当は参議院議員は自分の政策を考える時間があるはずなんですけど、だいたいの人はぼけーっとしていますね。(笑)

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